順位確定(ラグビー・トップリーグ)。

・・・とは言っても,実際にはマイクロソフトカップが控えていますから,より正確を期するならば「ただし,4位以下に限定する」という留保文言が必要なのですが。


 ということで,ラグビートップリーグの話であります。


 タイトルにありますように,最終順位が確定しております。
 通常ならば,優勝争いはブレイブルーパスか,それともサンゴリアスか,という視点が最終節のお約束ですけれど,今季に関してはマイクロソフトカップが優勝を争うプレーオフ・トーナメントとしてありますから,「出場権争奪戦」が注目ポイントになるわけです。
 となると,上位2クラブはすでに出場権を確保しているわけですから置いておく,と。
 最終節を前に,可能性を残していたクラブは複数ありました。
 ですけども,リーグ・テーブル(トップリーグ・オフィシャル)ページ,その下部に記載されている星取表を合わせて冷静に眺めれば,出場権を確保すべきクラブが順当に出場権を奪取した,という見方が正確かな,と思います。でありますれば,ポイントを絞ってシーズンレビューなど。


 では最初に,3位のポジションに付けたジュビロから見ていきますと。


 単純に負け数だけを見れば,サンゴリアスと同じ2であります。ですが,レギュラー・シーズンを首位,2位で通過したクラブを相手に勝ち点5(対サンゴリアス戦においては4)を奪取しているにもかかわらず,NECグリーンロケッツやコカコーラ・ウェストジャパン相手に星を落としてしまっているし,IBMビッグブルー相手には,引き分けてしまっている。
 また,得点数を見るとサンゴリアスに大きく差を付けられてしまっているし,失点数が少ないかと言われればそれほどでもない。つまり,僅差をしぶとく勝ち抜いていくことで勝ち点を積み重ねてきた,というシーズンであることがうかがえます。


 最終節においても,このスタッツから受ける印象を忠実になぞるようなゲームだったように感じます。


 次に,4位を確保したヴェルブリッツであります。


 彼らも,もったいない戦い方をしてしまったような印象があります。
 リーグ第6節において,彼らはジュビロと対戦しています。ゲーム・スタッツ(トップリーグ・オフィシャル)を見ても分かるように,本来ならば勝っておかなければならないゲームです。ヴェルブリッツは4トライ4コンバージョンを奪っていますが,ジュビロは3トライ2コンバージョンにとどまっている。勝負を分けた要素は,前半でのPGだったわけです。つまり,自陣でのファウルが勝負を分けてしまったことになる。
 第9節での対サンゴリアス戦においても,13−17と4点差の敗戦であります。このときは,前半ノー・トライに抑え込まれてしまったことが大きく作用してしまったようです。
 ただ,彼らのレギュラー・シーズンでの戦いぶりをあらためてチェックしてみると,プレーオフ・トーナメントをどう戦っていくとチャンスが見えてくるか,そんな部分が透けて見えるような感じもします。
 いずれにせよ。短期決戦型のトーナメントですから,立ち上がりの早い時間帯から自分たちのスタイルに相手を引きずり込むことができるか,が大きな要素になるのは間違いないところでしょう。特にジュビロは,レギュラー・シーズンにおいてブレイブルーパスサンゴリアスをともに撃破しているわけですから,チャンスを最大限に生かしてやろうと思っているはず。


 どういうスタイルで短期決戦を駆け抜けるつもりか,そういう部分を見ていくのが面白いような感じです。


 と,プレーオフ・トーナメント進出クラブが決まったわけですけれど,同時に,トップリーグからの自動降格,そして入替戦への進出が決まってしまったクラブもあります。そして,ちょっと気になる昇格組,でありますが。


 ちょっと,関東協会管轄下のクラブが多いな!,というのが偽らざる印象です。


 最下位に甘んじることになったワールドは神戸を本拠にしているクラブですが,17位(つまりは,自動降格)となったセコム・ラガッツは埼玉県狭山市を本拠としていますし,入れ替え戦組となるIBMに関しては八千代市,リコーは世田谷が本拠ですからね。
 もうちょっと,関東を本拠とするクラブ,特に埼玉県を本拠とするクラブ(西部は心理的にちょっと遠いけど)にはがんばっていただきたいな,と思うです。


 で,昇格組だったコカコーラ・ウェストジャパンはジュビロ相手の勝ち点奪取が相当効いていると思うのですが,シッカリとトップリーグ残留をレギュラー・シーズンで決めております。自分たちよりもポジションが低い(つまりは入れ替え戦組を含めた降格圏内)クラブ相手に50%の勝率というのはちょっと危なっかしさを感じもしますが,昇格初年度としてはある程度目標を達成したと言えるのではないでしょうかね。
 向井さんのことですから,いまのチームに何があって,どこを徹底的に強化(ケースによっては補強)しなければならないか,シーズンを通じて見えていると思います。どれだけの上積みをして2007〜08シーズンに向かっていくのか,ちょっと興味深いところがあります。