ちょっとNHLのことなど。

恐らく,長野オリンピックが開催されるかされないか,というタイミングだったと思います。


 でありますれば,記憶が正確なら1997〜98シーズンのNHL開幕戦だったかと。


 その開幕戦が日本で開催される,ということがありまして。対戦カードは,バンクーバー・カナックス−マイティダックス・オブ・アナハイム(現在は,アナハイム・ダックスと名称変更を受けています)。恐らく,当時アナハイムに所属していたポール・カリヤがお目当てだったのだろうと思うのですが,確かこの時にはゲームには出ていなかったような記憶があります。


 それまでにも,日本リーグがNHKあたりで中継されているのを見たことはありますが,アイスホッケーという競技が持っている魅力をダイレクトに感じたのは,このときがきっかけだったように思います。


 ごくおおざっぱな言い方をすれば,“スティックを使うバスケットボール(強烈なフィジカル・コンタクトがもれなくセット)”という感じでしょうか。
 パックを奪取するために,強烈なチャージを仕掛けていく。局面によっては数的優位を作りながら相手を追い込み,パックを奪う。そして,パックを奪取してからビルドアップへと瞬時に切り替えていきます。そのスピード感はかなりの迫力があります。


 ひとりひとりのスケーティング技術も当然高くなければなりませんが,相手ディフェンスを翻弄するためには戦術に裏打ちされたコンビネーションも欠かせません。シンプルに「縦」を意識した攻撃だけを繰り出すのではなく,細かいパス・ワークや相手ディフェンスをつり出す動きが連動しながらゴールを狙っていく。こういう部分は,どこかフットボールを感じさせるところもあります。


 アメリカン・スポーツは好みが分かれる競技が多いような感じがしますが,アイスホッケーは個人的に面白いと思っています。
 ちょうど,NHLはレギュラー・シーズンの真っ最中であります。NHLスタンディング(2006〜07シーズン・ESPN)を見ると,アナハイムは37ゲームと,最も消化ゲーム数が多いのですが,最も安定した戦いぶりを示しているようです。もちろん,まだディビジョン・シリーズ(東西カンファレンスごとに,3ディビジョンに分割)の段階ですし,これから先にプレーオフ,そしてチャンピオンシップを争う「スタンレー・カップ・ファイナル」が待ち構えています。ですけど,この安定した成績は,ちょっと期待をしてしまうだけのものがあるように感じます。


 このまま駆け抜けられるか,それともどこかが追撃態勢を整えてくるか。NHLへの入り口となったアナハイムは気になるだけに,スタンレー・カップを掲げる姿をどこかで期待してしまいます。