アウェイ・ゴール。

第1戦,あまりにも膠着した展開だな,と一瞬思いはしましたが。


 PCでスコア速報を見ていても,コーションを受けた表示は増えても,スコアに関するクレジットは一切表示されませんでしたしね。でも,ちょっと神戸の立場に立って考えてみると,自分たちの本拠地で迎える第1戦を「叩き合い」にしてしまうくらいならばスコアレス・ドローの方が良い,という判断が働いたとしてもおかしくはないし,間違っていないと思うのです。


 タイトルにも掲げましたが,アウェイ・ゴール数のアヤであります。


 フットボールを攻撃面だけで見るのであれば,1−0,あるいは0−0よりも3−3であったり4−3というスコアの方が面白くもありましょう。しかし,「勝負」という部分を見据えたときに,シンプルに面白い,ということが言えるでしょうか。リアリスティックに過ぎる見方かも知れませんが,フットボールにおける攻撃の魅力を抑えてでも,アウェイ・ゴールを決して許さない,という判断はごく当然だろうと思っています。


 リスクを積極的に背負うのならば,2戦目に背負えばいい。


 自分たちのホームでリスクを不必要に背負い,相手にゴールを許してしまうようなことがあれば,2戦目のゲーム・プラン,そのオルタナティブを相手にプレゼントしてしまうことにもなりかねない。自分たちが主導権を持って,2戦目に勝負をかけようとする意識が,神戸には強かった,ということになるのではないでしょうか。また,ダイジェスト映像を見た範囲ではありますが,オフサイドというジャッジメントにはなったものの,相手ディフェンスに巧くクラックを生み出しながら抜け出していこう,という意識はしっかりと共有されていたような感じです。


 とは言え,90分という時間枠で飛び出しのタイミングが修正できなかったというのも事実であります。攻撃的な狙いは間違っているとは思わないけれど,タイミングの修正は,ホントならば90分プラスという時間でできていなければならない。この点はチームとして,確実に修正しておくべき課題だろうと思います。


 第2戦,双方ともに積極的に仕掛けてくるはずです。


 ですが,「先制点奪取」がより大きな意味を持ち,鍵を握るのは神戸である,というのは間違いないと思います。最初に,ゴール・ネットを揺らすことができれば,相手をさらに引き出すことができる。選択肢を広げることができるからです。逆に,福岡サイドから見れば,どれだけ神戸を焦らすことができるか,ワンチャンスを狙うか,という部分がゲームの鍵になりそうです。


 もちろん,スコアレスからPKへ,ということだってあり得るし,反対に予想外のスコアになることも十分に可能性がある。いまのJリーグにあって,最も熾烈なホーム・アンド・アウェイ。その第2幕は,いずれにせよ相当シビアなものになりそうだな,と感じます。