天皇杯(3回戦)概論。

J's GOALさんの速報ウィンドウを開きまくったおかげで,即席ベンチマーク・テストをしているかのような状態でありますが。


 やっぱり,天皇杯というのは“初戦”が最も難しいですよね。


 1回戦,2回戦を戦い抜いてきたチームは,ある意味3回戦を楽しみにしているはずです。1回戦,2回戦においては,日頃主戦場としているリーグ戦のライバルであったり,地域は違えどもレベル差がそれほどないリーグに所属しているクラブとの対戦であり,“日常の延長線”にあるゲームのような感じもします。


 ですが,3回戦以降になるとカラーが大きく変わってきます。


 3回戦においてはディビジョン2,4回戦においてはディビジョン1のクラブと真正面からぶつかることのできる,貴重なチャンスとなるわけです。自分たちのパフォーマンスを徹底して引き出すことだけを考える。ひとりひとりの持っているポテンシャル,パフォーマンスを冷静に考えれば,確かにディビジョン2のクラブに分があると思うけれど,その「戦力差」を埋めて余りある要素がある。
 “モチベーション”というものであったり,“メンタル・タフネス”と呼ばれるものが,こういうノックダウン・スタイルのトーナメント,特に初戦においては重要なものとなる。
 単に,「自分たちが持っているフットボール・スタイル」を表現するだけでは足りない。猛烈なモチベーションを持ってゲームに臨んでくるに違いないJFLや地域リーグ,大学リーグに所属するクラブに対して,そのモチベーションを跳ね返すだけの入り方が求められると思うのです。


 ディビジョン1のクラブであっても,立ち上がりでは意外なほどに不安定さを露呈する場面が,過去の天皇杯(4回戦)で見られています。同じ図式が,当然3回戦の段階でも成立するということなのだろうと思います。
 メンタル・タフネスというとすごく不可視的なもので,不確かな感じを持つけれど,この要素を味方につけないと,もともと難しい初戦をさらに難しいものへと変化させてしまう。圧倒的な実力差があるとしても,入り方を間違えれば“シード”という立場をひっくり返されてしまうこともあり得る。


 リーグ戦とは違う,でもシビアさにおいてはリーグ戦と同等,あるいはそれ以上のオープン・トーナメントが本格的にはじまったな,と感じます。