モンスターのこと。

またまた,ちょっとフットボールを離れて,バイクの話など。


 ドゥカティというと,どうしてもタンブリーニさんの傑作マシンである916(996)や748など,スーパーバイク(あるいは,その下のクラスになるスーパースポーツ)のベース車両として位置付けられる結構戦闘的なモデルに目が行ってしまいます。


 でも,もうちょっと肩肘張らずにドゥカティとお付き合いしてみたい,と思うひとは結構多かったようです。


 そんな要望に応えるかのように,1992年にリリースされたのが“モンスター”であります。発表当時は,「敷居が高い」と思われていたドゥカティにもうちょっとフレンドリーさを,という感じかな?と思っていたところが実はあります。“スーパースポーツ”だけに意識が行ってしまっていたわけですね。


 でも,よく考えてみるとポテンシャルが低いはずもない。


 エンジンは確かに900SSなどと同じ空冷Lツインを搭載していたものの,そのエンジンを抱えるフレームは当時のスーパーバイク選手権の主戦兵器だった,851(888)のフレームを転用するなど,実際には侮れないパフォーマンスを見せ付ける,案外日本の道路事情では快適に(しかも速く)ワインディングを駆け抜けられるスポーティ・モデルとして見た方が良いようなモデルだったわけです。そのモンスター,いまは迫力あるモデルもカタログに登載されております。



 この写真はドゥカティ・ジャパンさんからお借りしてきたものですが(リンクをクリックしますと,このバイクの紹介ページであります。),ここまでくると,もはや“カウルレス版・999と996のハイブリッド・モデル”というような見方の方が良いかも知れません。エンジンはテスタストレッタだそうですから,996〜999の血脈に確実に乗っている。また,トラス構造を持った独特のスイングアーム形状が特徴的であります。916だと確かアルミ鋳造だったですけど。


 そうそう,このタイプのスイングアーム,確かパテントはホンダが保有している記憶があるんですけど(NSRとかRVFで使われた“プロアーム”ですね。),どういう関係になるんでしょうかね。


 ・・・失礼しました。話戻しますと。


 ある意味,レーシング直系のエッセンスが入っていますから,当初の「フレンドリーそうなドゥカティ」からエキスパート向けのドゥカティへと変化したような感じがします。その分,どんなモデルであってもスポーティさを強く感じさせる,ドゥカティの文脈にはより忠実なものになった,と言うべきかも知れません。


 基本的には,国産だろうと外国製だろうとそれほどのこだわりはないですし,“ドライビング・プレジャー”を感じさせてくれるモノならば,どれでもオッケーという(かなり節操ナシな)スタンスなのですが,こういうバイクを目にしてしまうと,ドゥカティにこだわっているひとの気持ちがわかる気がします。