JR東日本カップ(後期第1節)。

最初は完全にノーマークだったんです。


 でありますれば,第1ゲームには見事に遅刻しました。


 にもかかわらず,赤羽駅から歩いてみようなどと考える自分の思考回路とは一体どうなっているのでしょうか。前も秩父宮で同じような失敗をしている(学習効果がない)わけですが,今回もそのとき同様,スコアは動いておりませんでした。結果オーライという部分までシッカリと踏襲しております。


 というわけで,今回は関東大学サッカーリーグ戦(後期第1節)の話などを。


 国立スポーツ科学センター西が丘サッカー場(正式名称は長いっすね。以下,西が丘で。)で組まれていた試合は,第1試合が国士舘大学明治大学戦,第2試合が流通経済大学専修大学戦でありました。この4校に限らず,関東1部リーグを虚心坦懐に眺められる条件が残念ながらそろってしまっているのですが,それだけに,各チームの特徴を楽しめたな,という感じがします。


 まず,第1試合であります。


 遅れて行ったがゆえの先入観では,国士舘がゲームのリズムを握っているのかな,という感じを持っていたわけです。ですけど,実際に見はじめるとコレクティブな印象を強く感じたのは明治の方でした。アウトサイドを機能的に使っているな,という感じと,オフェンシブ・ハーフが巧みにポジション・チェンジを掛けることで相手守備ブロックがマークしづらい状況を作り出しているな,という感じがしていたのです。一方,国士舘はカウンター・アタックの鋭さを十分に感じ取ることはできたものの,「縦」への速さを強く意識しすぎているのかな?と思うところがありました。ということで,前半は“nil-nil”で折り返します。


 となりますと,後半立ち上がりの15分までに先制点を奪取することができれば,恐らくゲームを優位に展開できる(勝ち点3を奪取できる可能性が高くなる)のかな,と思いながら見ておりますと,その図式を作り出したのは明治でありました。


 となると,明治が優勢に・・・,とならないわけでありまして,先制点を奪ったことで守備面での意識が強くなってしまったのか,バランスがちょっと悪くなってしまったような感じがしました。あと2〜3mだけでも押し上げられると良いのだけれど,そのバランスが自陣サイドに傾いてしまっているために,国士舘の攻撃に可能性を感じられる時間帯が増えてきたわけです。それでも,明治はしっかりと踏みとどまってみせたし,ロスタイムには貴重な追加点を挙げます。


 確かに,リズムを自ら悪くしてしまったようなところもありましたが,基本的には明治がリズムを掌握しながらうまく戦っていたゲームだったような感じがします。


 次に,第2試合であります。


 前期日程終了時で首位に立っている流通経済大学と,残念ながらテールエンドに甘んじてしまっている専修大学との対戦でありまして,となれば流経大が主導権を握るかな,というイメージを持ちがちでありますが(で,実際にそんなイメージを持ってもいましたが),フットボールというのはそう単純に図式化できるものでもないようであります。


 攻撃面だけを考えると,さすがに首位に立っている流経大は面白いフットボールを展開しているな,という感じがしました。リーフレットには4−4−2の基本陣形が示されていましたが,実際には守備ブロックの約束事をのぞけば,かなり自由にポジショニングしているな,という感じでした。アウトサイドが中央に絞り込んでいくケースではセンターに入っているプレイヤーがアウトサイドに流れていったり,絞り込んでくる動きに連動しながら中央でサポートに入る動きを見せたり,“ムービング・フットボール”を相当強く意識付けしているんだろうな,という感じがしたです。


 でありますれば,先制点を奪ったのが流経大だったのはすこぶる当然かな,という感じもどこかでしました。


 ですけど,専修は先制点を奪われても浮足立つことなく,しっかりと守備ブロックを構築して相手の攻撃を受け止めてから鋭く攻撃を仕掛けていく,というゲーム・プランを維持していたような気がします。相手の圧力は確かに高かったように思いますが,巧みに受け止めていました。そして,前半終了を視界に収めようかという時間帯に,同点へと持ち込む。チームにポジティブなイメージを与える,大きな意味を持った得点だったような感じがします。


 となると,第1ゲームと図式はほぼ同じ。後半の立ち上がりが勝負を分けるタイミングになるな,と。で,そのタイミングに仕掛けをフィニッシュへと結び付けられたのは専修でありました。リードを奪ったわけであります。


 となりますと,前半からかなりの圧力を掛けていた流経大の攻撃は,さらに専修守備ブロックへのプレッシャーを高めていきます。当然,チーム・バランスは崩れますし,守備ブロックが低い位置に追い込まれてしまっているから,厳しい状況になってしまっています。そして,PKを与えるという,決定的なピンチを迎えてしまう。ですが,専修のゴーリーはPKを阻止することに成功します。勝手にMOMを決めるならば,流経大の攻撃を最終的に受け止め,安定したセービングをみせていたゴーリー君になると個人的には思います。


 ともかく。専修はリアリスティックにゲームを戦い,犠牲は払ったものの勝ち点3を獲得するわけであります。


 リーフレットの表面には「サプライズはあるのか!?」なんてフレーズがありましたが,第2ゲームはサプライズと言えば言えるようにも思います。ただ,フットボールというスポーツはこれだから魅力的なのだ,とも思います。絶対的な優位というものがあるように見えて,実際には紙一重の部分を積み重ねていくような印象もある。ロジカルにゲームを組み立てることが重要なのは当然として,幸運を引き寄せる力もないとゲームを制することができない。


 そんなことをあらためて意識させられたのが,西が丘での2ゲームだったように思います。