総合力を示すべき時は。

追加招集(JFAオフィシャル)によって,本格的に“ムービング・フットボール”を追い求めるつもりだろうことが,かなりハッキリと見えてきたような感じがしますけど。


 そのことはちょっと後回しにしまして,今回は完全にクラブ目線で書いていこうと。


 本来ならば,ショート・インターバルを挟んでの第17節,第18節と週1回の開催ペースに戻るのだから,チームのトレーニング・スケジュールとしてはちょっとだけ余裕が持てる展開になる,と考えてもいいでしょう。しかしながら,チームの中核を構成するフットボーラーが7人までも抜かれるわけです。彼らにとっては,水曜日,土曜日という過密なリーグ・スケジュールに戻ってしまったような感覚を憶えるかも知れませんし,第22節までその過酷な状況は継続すると言っていいのです。それ以上に,ベスト・メンバーでの戦術的チェック,熟成ができずにリーグ戦に臨まなければならない時間が生じてしまうことは,クラブにとっては明確なデメリット,という見方も成り立つように思うのです。


 ではありますが,視点を変えれば「浦和」というクラブが持つ総合力を存分に示すべきタイミングだと言うこともできるように思います。


 7人ものフットボーラーを代表チームへと送り込んだ,その基盤となるものは間違いなくクラブ環境であると思います。「浦和」というチームを構成するフットボーラーは7人だけではありません。ダッグアウトに控えているリザーブ,遠征に帯同してはいるもののリザーブには登録されていないフットボーラー。彼らのパフォーマンス,ポテンシャルをチームとしてのポテンシャル,パフォーマンスへと直結させる必要がある時期がいまなのだ,と思うわけです。7人もの選手を代表へと送り込む,クラブの持っている総合力はここまでのものがあるのだ,ということを明確に示すためにも。


 7人が代表での経験をクラブへと落とし込む。と同時に,チームが積極的にボトミング・アップを図る。この2つの流れがしっかりとかみ合うことで,チームがさらに進化していけるはず,と思うわけです。


 ・・・2007シーズンには間違いなく,ACLで「勝ちに行く」ためにも“ターンオーバー・システム”を採用してくるはずだと思っていましたが,そのためにはチームを構成するユニット全体が高いパフォーマンスを維持している必要が生じます。ちょっと早く,同じような状況になっただけ,と言えば言えるでしょうし,リーディング・クラブとして当然のように乗り越えていかなければならない壁がちょっとだけ早く,そして高く目の前に表われただけ,だと思います。


 本当の強さ,クラブの総合力を示すために,この壁はしっかりとクリアしなければならない。そう思うのです。