First Prototype.

A3チャンピオンシップという制約があるだけに,フレームワークだけを見せられたような感じがありますな。


 鈴鹿8耐もありましたし,ちょっとレーシング・バイクに例えてみましょうか。


 就任当初は前任者のもとで開発されていた06スペックのフレーム,パワートレーンをキャリー・オーヴァするようなことを言っていたけれど,実際には07スペックを見据えたプロトタイプ・フレームを開発してきた。フレームを刷新するのだから,必然的にパワートレーンも06スペックからは大きく変わってきた。ただ,07スペックに向けた最終型プロトというわけでもない。「先行開発車両」のようなファースト・プロトタイプ,と言えば良いでしょうか。


 まあ,お分かりのことでありましょう。キリン・チャレンジカップ2006に向けた代表メンバー発表の話であります。スポナビさんを見ますとですね。


 ・・・ごくコンパクトな戦力構成であります。コンパクト過ぎるようにも思いますな。


 さすがに浦和絡みの視察回数が多かっただけあって,6人とは随分と選ばれたなあ(11人よりは少なかったのは当然としても),という感想も当然ありますがね。思うに,“11人”というのはシャレが半分以上含まれているとしても,「多めに貸してね♪」という意思表示だったんでしょうな。


 ともかくですね。ただ,何となく布陣が透けて見えてくるような選考だな,とも感じます。


 まず想定しているだろうことは,“2バック・システム”に踏み込む気があるんだろうな,ということ。闘莉王選手と坪井選手,そして恐らく今野選手を守備的なユニットとして意識し,攻撃的に仕掛けていくときには坪井選手と今野選手が最終ラインを形成する,というような感じかな,と。
 次に,アウトサイドはSBとウィンガーを併用する気があるんじゃあないか,ということ。ボックス・スタイルの4−4−2と言うよりも,フラットに限りなく近い4−4−2,あるいはダイアモンドの4−4−2をスタティック・バランスとして想定しているのかな,と。


 とは言え,イビツァさんのフットボール,その魅力の中核は“ダイナミック・バランス”にこそある,と思っていますから,9日までのトレーニングは相当ハードになるんだろうな,とも同時に思いますね。


 さて,13人というフレームに,どういう戦力的な上積みがなされるのか。


 イビツァさんのことですから,A3終了を待ってG大阪,千葉勢をシンプルに足すだけでは終わらないはずです。このファースト・プロトタイプをどうポテンシャル・アップさせていくつもりなのか,正直興味が尽きませんね。