対甲府戦(06−16A)。

コレクティブなフットボールを展開するチームに対して,想像以上の苦戦を強いられてしまう。


 ここ数季,共通した印象であるような感じがします。


 基本的に,アタッキング・フットボールを標榜するチームに対しての相性はそれほど悪くない。物理的にプレー・エリアが立ち上がりから多くあるからだろうと感じます。ですが,攻撃面が組織立っているチームを相手にすると,途端に窮屈さを感じるようになってしまう。そして,窮屈さを解消する手段を見つけ出すまでに,相当程度の時間を必要としてしまう。


 また,ゲームの主導権を良いリズムで掌握できていない,あるいは早い段階で先制点を奪取できず,次第にリズムを悪くしてしまっているときは,ピッチサイズが狭まってしまったかのような感じもします。
 ボールをワイドに展開することができず,しかもチーム全体が前後方向に引き延ばされたかのような状態に陥ってしまう。例えば,ディフェンシブ・ハーフを含めた守備ブロックが組織守備に意識を振り向けているからか,トランジションからの積極的な押し上げが機能せず,そのために縦方向でのポジション・チェンジをスムーズに繰り出せない。トップとシャドー・ストライカーとの距離感が適切に維持されていないことも加わって,攻撃ユニットが巧く形成されないことでトップが孤立してしまい,攻撃を組み立てるにしても単発なものにとどまってしまう。


 加えて言えば,中盤が本来持っているべき攻守バランスを失ってしまうと,守備ブロックが見せている安定性に対して,最終的には悪影響を与えることにもなってしまうように思います。


 言ってしまえば,大分戦で明確になった課題をそのままキャリー・オーバーしたようなゲームだったような感じがします。


 にもかかわらず,リーグ・テーブルのポジションを落とすことなく16節を乗り切ることができた,というのは自力の要素と他力の要素が複雑に絡み合うリーグ戦のアヤだな,と思いますし,正直ラッキーだったとも感じます。
 このラッキーを次節以降につなげていくには,しっかりとインターバルで大分戦,そして今節の甲府戦であぶり出された課題を潰していかなければならないはず。今節獲得できた「勝ち点1」を意味あるものとできるか,それとも奪えなかった「勝ち点2」の方が大きく意識されるのか。そういう意味でも,連戦後のインターバルは重要になりそうな感じがします。