Testimonial.

華やかさを感じさせる,それでいてやはり寂しさをどこかに持っている特別なゲーム。


 普段の真剣勝負とは違って,どこか「同窓会」のような感じもする,アットホームな空気が流れるようにも思います。そして,そんなゲームが“エミレーツ・スタジアム”のオープニング・ゲームとして開催された。そして,このゲームでブーツを脱ぐのは,423ゲームに出場し,120ゴールを奪ったガンナーズを代表するフットボーラーである“Non-Flying Dutchman”(ヒコーキ嫌い),デニス・ベルカンプ選手です。



 思えば,ガンナーズベルカンプ選手との関係は概して幸せなものだったように思います。彼がガンナーズに移籍するのは1995〜96シーズンのこと。翌シーズンにはアーセン・ヴェンゲルがマネジャーへと着任します。その後,プレミアシップとFAカップを奪取する,「ダブル」を含め,数々の栄光をともに手にしてきた。そんな関係を思い出させるような後半のメンバーだったように思うのです。
 今回の写真はESPNサッカーネット(英語)からお借りしてきたものですが,本当に良いテスティモニアルだったのだな,ということが伝わってくるものであるように感じます。


 フットボール本来の魅力は,真剣勝負の中にこそある。


 その通りだと思いますが,その一方でクラブを追いかけている人間に強い印象を残し,クラブに大きな貢献をしてきた選手に対する感謝の気持ちを表す,という機会は本当に大切なものです。


 冒頭にも書きましたが,そういうクラブ,サポータにとってある意味最も重要なゲームが新たにガンナーズのホーム・スタジアムとなるエミレーツ・スタジアム(やっぱり,イングランドの競技場は“アシュバートン・グローブ”と地名で言いたくなりますけどね。),そのこけら落としとなった。いい話だな,と思うのです。