Green Flag.

アメリカン・モータースポーツの表現を借りますと。


 やっとペースカーがピットレーンへと退避し,レーシング・マシンが隊列を整えながらリスタートを待っている,緊張感と期待感が入り交じった瞬間のような感じがします。


 ある意味で,リスタートというのはそれまで構築してきたアドバンテージがゼロになる部分があるように思います。中断しているタイミングに,それまで不具合を起こしていた部分を徹底的にチェックし,その不具合を潰すべく最大限の努力を払ってきたはずです。中断までのパフォーマンスで判断していると,予想外の反撃を受ける可能性もある。


 それだけに,グリーン・フラッグがコントロール・ボックスで振られた瞬間に,ロケット・スタートを決められるように,徹底した準備をしておく必要があるわけです。マッチデイ前日は差し詰め,ローリング・スタートに備えてレーシング・マシンをトラックに送り出すべく,ピットワークを完了させるタイミングでしょうか。


 そして,ピットアウトさせるレーシング・マシンには,待望のセッティングが施されるようです。こちらの記事(日刊スポーツ)を読む限りでは,田中達也選手が少なくとも新潟遠征に帯同,ほかのスポーツ・メディアの記事を合わせ読むと,スターターとして実戦復帰をする可能性もあるとか。


 駒場であまりにも大きなアクシデントに見舞われて以来,着実にコンディションを引き上げてきた,そのタイミングがしっかりと中断期間明けと重なった。実戦での負荷は,ともすれば達也選手にとって「想定外の領域」かも知れませんが,記事中での坪井選手のコメントのように,“GOAL”がトップフォームを早い時期に取り戻す,大きなきっかけを与えてくれるかも知れない,と考えています。


 やっと,リーグ戦という「本来の立ち位置」が戻ってくる,ということが無条件にうれしいわけですが,そのうれしさを増幅させてくれるようなニュースがあった。本当に喜ぶべきタイミングはもうちょっと先,なのかも知れませんが,それでもうれしいものであります。