間もなく開幕。
ちょっと思い返してみるに,ワールドカップの記憶が鮮明に残っているのは1990年ワールドカップ・イタリア大会あたりからかな,と。
やっぱり今大会と同じように深夜帯での放送でしたから,あんまり大騒ぎできるわけじゃあない。とは言え,“フットボール”を黙々と見るというのもなかなか無理な相談で,ご近所さんに遠回しに説教されたこともあったような。また,全試合をしっかりとカヴァしてくれるわけでもなかったから,午後11時からのNHKニュース(確か,ミッドナイト・ジャーナルと言ったような。)でダイジェストをチェックしていたことを思い出します。
そのときにジュール・リメトロフィーを掲げたのは当時の西ドイツ代表。決勝戦の時はそんなことを想像することもなかったわけですが,いまにして考えてみるとすごく浦和に縁深きフットボーラー,コーチング・スタッフがそろっていたわけです。
ドイツ代表だけじゃあありません。大会前にはまったくノーマークだったけれど,大会がはじまるとトップ・スコアラーの立場にあっという間に上り詰めたサルヴァトーレ・“トト”・スキラッチもその後日本でプレーしましたし,あとから考えると日本との縁深さを強く感じさせる大会だったな,と思います。
そのときに旋風を巻き起こしたのは,カメルーン代表でした。
苦戦を予想されていたファースト・ラウンド(グループリーグ)を首位通過すると,セカンド・ラウンドでも初戦を突破,ベスト8にまで駒を進めました。アフリカ勢が存在感を示しはじめたのがイタリア大会だったようにも思います。
ということで,ベタですけどワールドカップのことなど。
ながながと話のマクラにはイタリア大会を持ってきましたが,その後のアメリカ大会,フランス大会や日韓大会でも躍進を遂げたチーム,その反対として予想外の成績に直面したチームもあります。そして,日本代表以外に「気になるチーム(セカンド・フェイバリット)」を持っているひとも多いかと思います。
強さを押し出すチームが好きなのか,それとも美しさを感じるチームが好きなのか,という部分でまずは好みが大きく分かれることでしょう。前者はどちらかと言えば組織的な守備面がクローズアップされがちなチーム,後者は攻撃面が強調されるチームということになりましょうか。そして美しさをさらに分けていくと,組織としての美しさ,機能美を見せ付けるチームがお好みか,それとも,比類なきスキルを背景とする即興的な美しさをピッチ上に表現するチームが好きかに応じて分かれていくように感じます。
・・・個人的には,イングランドが無条件に気になるのは当然として,やはりオランダ代表がどのような戦いぶりを見せてくれるのか,気になりますね。
とまあ,そんなチームがどういう戦いぶりを見せてくれるかを含め,「どうしても気になってしまうだろう1ヶ月間」が間もなくはじまります。