懐かしき名前とTSG。

ワールドカップというと,大会期間中だけが忙しいような感じがします。


 映像,活字に限らずメディア関係者はIMCを活動拠点としながら各ベニューに散っていくし,警備関係者も大会期間中が最も忙しい。


 ですが,大会期間前であったり,大会期間後にまで忙しさが持続するひとたちもいるわけです。たとえば,メディアの取材申請が通り,実際に競技場へと足を運ぶためにはFIFAサイドから発給される身分証明書が必要となります。いわゆるADカード(アクレディテーション・カード)であります。2002年大会では韓国,日本と身分証明書の発給ポイントが分散していましたが,今回は発給ポイント(MAC)は1個所だけのはずですから,組織委員会のAD担当,そしてAD発給に携わるボランティアのひとたちは猛烈な忙しさを感じているはずです。


 逆に大会期間終了後から忙しくなるのが,テクニカル・スタディ・グループ(FIFA技術委員会・TSG)だと思います。2002年大会の時にも韓国,日本を動き回りながら各国のプレー・スタイルを綿密にチェックし,どういう攻撃スタイル,あるいは組織的守備戦術を採用しているチームが勝ち上がってきているのか,などという部分を分析していく組織です。こちらの記事(日刊スポーツ)では,浦和を追いかけている人間にとっては,とても懐かしい名前を見ることができます。


 ホルガー・オジェックさん。


 説明の必要もないひとだと思います。


 1995シーズン,1996シーズンのことを思えば,非常に評価の高いプロフェッショナル・コーチであることは納得できると思いますし,FIFAも同様に考えているようです。こちらの記事(2002年ワールドカップ・オフィシャル)を見ると,現在千葉を率いているイビツァ・オシムさんとともにTSGメンバーに名を連ねています。ちなみに,このときの責任者はやはり市原を率いた経験を持つベングロシュさんであります。そして,今大会はと思いオフィシャルサイト(英語)をのぞいてみれば,今大会ではTSG責任者の立場のようであります。しかも,キャリアに浦和というクレジットがはっきりと示されているのはどこか誇らしいような感じがします。


 今回もメンバーに名を連ねているベングロシュさんも含めて,Jリーグとの関わりが深いオジェックさん(オジェックさんに関しては,「浦和に関わりが深い」と言い換えるべきだと思いますが)が束ねるTSG。彼らが日本代表についてどういうレポートを上げることになるのか,ちょっと興味が出てきました。