ラグビーU19世界選手権(短信)。

今回は前置きなしで,こちらの記事(日刊スポーツ)をご紹介するところからはじめますと。


 ラグビーフットボールの世界でも“世代別代表”というカテゴリがあります。いわゆるユース年代にあたるのがU19カテゴリで,この年代の世界選手権がドバイで開催されております。その話をちょっと短めに。


 フル代表は2007年RWCアジア地区予選において(失礼ながら)格下相手にゲームの入り方で大きな課題を露呈したわけですが,U19もフル代表のソレと相似形を描くような課題を抱えていることが日刊の記事の背後にはあるように思うのです。


 この大会はちょっと面白い順位決定方式を採用しております。


 まず,前回世界選手権の順位によってディビジョンAとディビジョンBに振り分けられます。各ディビジョンは12チームで構成され,この12チームがさらに4つの予選プールに振り分けられます。日本代表はプールCに入り,予選リーグはプールBの3チームとの総当たり戦であります。
 そして,予選プールを終了した時点でディビジョンA10位(予選リーグ1勝2敗)。サモアよりも上の成績を形式的には収めている格好であります。であれば,確実に勝っておかねばならない相手と見ることもできる。にもかかわらず・・・,ということが共同通信さん配信の記事の裏にはあります。


 しかしそれ以上に,ポイント・スタンディング(IRBオフィシャル)を見てみると,「得点が奪えていない」ことが気になります。フル代表とちょっと似ている問題,というのはこちらのことです。
 いわゆるラグビー・ネイションであるニュージーランドスコットランドとの対戦もありましたので,ある程度失点という部分には目をつぶっておくとしても,“トライ”というフィニッシュから逆算してどういうスタイルを作り上げていくべきか,という部分で世代別代表もフル代表と同様に大きな課題をクリアできずにいるのかな,という感じがするわけです。チームとして,どう相手ディフェンスを崩していくのかというイメージがあまり明確ではないのかな,と。予選リーグでも攻め込みながら押し返されるという時間帯がかなり多かった,ということが日本ラグビーフットボール協会(JRFU)のサイトでは書かれています(リンク関係に関してシビアですので,リンクはしておりません。興味のある方はチェックしてみてくださいませ。)。


 順位決定戦で今度はルーマニアとの対戦が控えています。このゲームを落とすと,次回大会でのディビジョンBへの降格が決定してしまう。それだけに,ルーマニア戦は決して落とせないゲームでありますが,日本代表としての「組織的な攻め方」,そのヒントでも見えてくれば良いのではないか,と思います。