狼煙。

プライドを取り戻すチャンスを得られるかも知れない。


 歴史と伝統を誇るカップ戦,その決勝の舞台に立てるかも知れない,ということに対する期待感はかなり大きいのではないかな,と思います。


 ひさびさに欧州ネタなど。と言っても相変わらずイングランドの話ですけどね。


 FAカップ準々決勝であります。


 チャールトン・アスレティックミドルスブラ戦が残っておりますから,まだ準決勝進出クラブは確定しておりませんが,3クラブは確定しております。リヴァプールバーミンガム相手に7点の猛攻を見せ付けセミファイナル進出を決めるとか,ニューカッスル・ユナイテッドスタンフォード・ブリッジで1点に沈むなど,いろいろなポイントがありますが,今回はウェストハム・ユナイテッド(ハンマーズ)に絞って見ていくことにします。


 ハンマーズに関しては,ロン・グリーンウッドさんのことに絡めて「名将の訃報に触れて。」というエントリを書いたことがあります。興味のある方はアーカイブをチェックしてみてください。


 さて,ウェストハム・ユナイテッドシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでのマンチェスター・シティとの対戦,アウェイ・マッチでありました。やはりホームであるマンチェスター・シティが攻勢を仕掛け,ハンマーズはその猛攻を受け止めながら反撃のチャンスをうかがう,という図式にあったようです。


 ハーフタイムを迎えようかという時間帯,ハンマーズは本当に数少ないチャンスを先制点奪取へと結び付けることに成功します。立ち上がりにもシュートを放ちはするけれど,ゴールマウスを的確に捉えたものではなかったし,その後はリズムをシティに握られている。そんな状況での先制点ですから,その持つ意味はかなり大きかったものと思います。加えて,ゲームを大きく左右したのは後半開始直後のセント・オフでしょう。攻撃面では退場の影響を感じさせない攻撃を前半同様仕掛けられていたように思いますが,ディフェンス面にかかる負担が次第に増していったのかな,という感じがします。


 ハンマーズがひさびさにメジャー・タイトルを現実的な射程に収められる位置に戻ってきた。


 しかも,ウェストハム・ユナイテッドに欧州タイトルをもたらしたロン・グリーンウッドさんと同じくアウトサイダーであるアラン・パーデュー監督が就任してから初めてのメジャー・タイトル。アラン・パーデュー監督についてはインディペンデント紙のコラム(スポニチ・サッカープラス)に詳しく書かれていますが,プレミア復帰からの足取りとしては非常に確かなものを感じます。この躍進がパーデュー監督が言うように「リーグトップ6以上」に割って入るという狼煙であるならば,プレミアシップにも新たな面白さが加わるな,と思っています。