ラウンドロビン(WBCのことなど)。

フットボールの世界で,“ラウンドロビン”がどれほど恐ろしいものか実感させられているひとにとっては,今回のおはなしはごくフツーのことに感じるかも知れません。


 どんなに有利に戦いを進めようとも,最後の詰めをしっかりと詰め切れなければ結果を出すことができない一方で,最後まで思うような戦いをできずに推移してきたチームが,最終節が織り成す綾のようなものでグループリーグ通過を果たしたりする。怖さとともに,ある種の魔力が国際大会で多く採用されるラウンドロビンには宿っているように感じることがあります。・・・ここまで書けばお分かりでしょう。ワールド・ベースボールクラシック(WBC)について書いていこうかな,と思います。


 1勝2敗という成績で日本代表,アメリカ代表とメキシコ代表が並び,失点率という係数によって日本がサンディエゴ(ペトコ・パーク)でのセミ・ファイナルに進出することになりました。確かに奇跡と言えるような結末ですが,そんなことが往々にして発生するのが,短期決戦的な要素を合わせ持つリーグ戦ではないかと思っています。


 それだけに,最終的な結論を待たずして「・・・は絶望的」だとか,可能性が限りなくゼロに近付いたなどというあまりにネガティブな論調が目についたスポーツ・メディアには正直ガッカリしましたが,ここまで絵に描いたような展開というのも正直ビックリでありました。


 韓国代表とはこれで3回対戦することになります。


 圧倒的な実力差によって敗北を喫しているわけではない。むしろ,ゲームの流れを的確につかむことができているならば,どうゲームの帰趨が変わるか分からないほどに両者の実力は拮抗しているのではないかと感じます。


 「流れ」という,見えない不確かに感じるものを引き寄せ,自分のものとするために何が求められるのか,選手たちは分かっていると思います。国際試合の緊張感,それゆえの魅力を存分に味わいながら楽しんで欲しい,と思っています。