シックス・ネイションズ(その3)。

いよいよ最終節を残すのみとなったRBSシックス・ネイションズ


 前回シックス・ネイションズを扱ったときにはイングランドが首位を走っていて,第3節,第4節と連続しているアウェイ・マッチをどう乗り切るかが鍵を握るのではないかと書いたわけですけど,本当に第3節,第4節で大きく流れが変わったな,という感じがします。


 まず,マレイフィールドでのアウェイ・マッチでありますが。相当にシビアなゲーム展開でありました。得点はPGとDGのみ。両者を分けたのはDGを決められたという部分と,PGを確実に成功させたという部分だけ。ほぼ互角の展開の中から勝負が決したという感じがします。ただ,イングランドとしては接戦を落としてしまう。
 次にスタッド・ドゥ・フランスでのゲームであります。このゲームに関しては,フランスにしっかりとゲームをコントロールされてしまった,という感じがイングランドにはあるのではないかと感じます。ゲーム開始直後からトライ(コンバージョン)を奪われ,そこからほぼゲームをコントロールすることに成功する。対するイングランドはハーフタイム間際のPGが唯一の反撃となってしまう。
 後半は立ち上がりからPGを決めるなどリズムを取り戻すかに思えたが,実際には29分にトライ(コンバージョン)を奪われ突き放される。加えてゲーム終了直前にもトライ(コンバージョン)を奪われ,6−31とこのゲームを落としてしまう。


 この2ゲームがイングランドにとっては大きかったわけです。


 逆に,フランスはスタッド・ドゥ・フランスでの勝利によって首位に立っております。そして,チャンピオンに最も近い立場に立っているのがフランスだと思います。最終節,フランスはアームズ・パーク(ミレニアム・スタジアム)でウェールズと対戦するわけですが,ウェールズは現在テーブル上位のアイルランドイングランドには太刀打ちできていない。そして,現在2位に付けているアイルランドイングランドとのゲームが控えています。
 もちろん勝負自体はゲタを履くまで分からないですが,単純なデータ面だけで判断すればフランスが圧倒的に有利でしょう。大差での敗戦を喫することがない限り,負け数で並ばれたとしても得失点差で首位に立つことができるからです。


 ・・・シックス・ネイションズというと,やはり優勝回数12回を誇るイングランドの印象が強いような感じがしていたのですが,90年代後半からはフランスの躍進も相当目立ちます。今季はフランスが2シーズンぶりに“CHAMPIONS”の称号とともにカップを掲げることになりそうです。