Possibility.

どのようにゲームをクローズさせるのか,という部分に意識が向きかける時間帯。


 そんな時間帯に投入されたフレッシュな戦力は,チームを守備的な方向へシフトさせることでゲームを落ち着かせるという方向性ではなく,逆に攻撃面を大きく活性化させるべく積極的にダウンシフトをかけたように見えた。


 アウトサイドを積極的に攻め上がる「縦」へのスピードがまず印象に残った。瞬時にトップスピードに持っていくタイプではなく,ボールをホールドしながら敵陣深く入り込むほどに加速がかかるような感じを受ける。
 加えて,アウトサイドからトップスピードに乗った状態からセンターへと絞り込んでいくときにはスキルに裏打ちされた鋭さを感じる。オン・ザ・ボールの動きにまず目を奪われたが,オフ・ザ・ボールでの相手ボール・ホルダーに対するチェイシングにも強烈な意思を感じた。指揮官からは守備面でのリクエストを受けているが,攻撃面,守備面ともに強烈なアピールをしてくれたものと思う。


 こう書けば,誰のことがほぼお分かりかと。


 我らが主将に代わってピッチに立った“16”を背負う相馬選手であります。
 ただ,彼だけでなくその10分前にアレックス選手に代わって投入された平川選手,そして83分にピッチに送り出された黒部選手を含めてタイトルに掲げた“possibility”(可能性)を感じた,と言う方がより正確かと思います。


 10分強,平川選手の投入から考えれば20分程度という出場時間で多くを評価することはできないですが,戦術交代によってチームが大きくそのリズムを変えられることは間違いないと思います。それだけのポテンシャルを持った選手がピットにいてくれることは本当に心強い。そして,そのポテンシャルを引き出すアプローチ(もうひとつのコンビネーション)が構築されれば,チームにとって大きなオプションを手にすることになるのではないかと感じます。


 いろいろな意味で可能性を感じた10分間だったように思います。