欧州CL決勝トーナメント(1回戦)。

インテルアヤックス・アムステルダム戦が3月14日に順延となっていますから,完全にベスト8が出揃った状況ではありませんが。


 ひさびさに欧州ネタなどを軽く書いていこうかと思います。


 安定した戦いぶりを1,2戦通して示していたのは,バイエルン・ミュンヘンを5−2で下したACミランと,PSVアイントホーフェンを5−0(!)で退けたリヨンだけであり,今季はむしろアウェイゴール・ルールが大きな鍵を握ったカードが思いのほか多かったように感じます。


 まず,ユヴェントスアウェイゴール・ルール適用によって準々決勝(QF)進出を決めているわけですが,ユーヴェ・サイドから見ると「必要以上にQF進出を難しくしてしまった」ような感じがします。ヴェッサースタディオンで行われた第1戦では,ヴェルダー・ブレーメンに先制点を奪われるものの,後半に入って2得点を奪いリードを奪っているわけです。トレゼゲのゴールの時点で時計は82分。ゲームをクローズさせようと思えば充分にクローズさせられる時間帯だし,イタリアのクラブは巧みにゲームをクローズに持って行けるような印象があります。しかし,実際にはゲーム終了間際に2失点を喫することで第1戦を落としてしまう。ホームであるスタディオ・デッレ・アルピでは「らしさ」が出たかなとは思いますが,第1戦でブレーメンの勢いに押されたことが影響したのかな,という感じがします。


 もうひとつのアウェイゴール・ルール適用例でありますが。「実力拮抗」という言葉がこれほどピタッとはまるカードもないように思います。第1戦のアイブロックスにおいてもドロー。第2戦のエスタディオ・エル・マドリーガルでもドロー。ただ,そのスコアが2−2だったのか,1−1なのかが結果を大きく分けてしまった。レンジャースにとってみれば,あまりにもったいないリザルトだなと感じます。


 さて,イングランド勢でありますけど,今季は厳しいですね。


 リヴァプールにせよチェルシーにせよ,第1戦で「先制攻撃」に失敗していることが尾を引いてしまったような感じがあります。特にチェルシーは,スタンフォード・ブリッジ(=相変わらず,スタンフォード・ビーチと言いたいほどのピッチ・コンディションでしたね。)での第1戦でバルサにリードを許してしまったことが大きかったような感じがあります。バルサスタンフォード・ブリッジで築いたアドバンテージを充分に生かしながらカンプ・ノウでの第2戦に臨むことができた。ゲームを作るうえでのオプションが多かった,という見方もあるでしょう。


 一方,リヴァプールベンフィカの勢いをホーム・スタジアムであるアンフィールドにおいても押し止めることができなかった。第1戦で1点のビハインドを負い,ホームでは積極的に仕掛ける以外のオプションが選べなかったにもかかわらず。


 ちょっとイングランドびいき的には「厳しい結果」にさらされた欧州カップ戦でありました。“ガンナーズ”をのぞいては。しかも,“1−0(1,2戦合計)”というスコアが「らしさ」を感じますね。ガンナーズの伝統は生きているというか。ハイブリーの住人にとっては“アンチ・スペクタクル”なゲーム展開だったでしょうけど,イングランドでも屈指の安定した成績を誇ってきている歴史を知っているひとにとっては「ガンナーズらしさ」を存分に感じられるゲームだったように思います。


 客観的に見ればレアル・マドリーを相手に「薄氷の勝利」と言えるでしょうけれど,私としては逆にガンナーズがらしさを見せたという意味で「チャンスかな?」と思ったりします。内弁慶だとかイロイロなことを言われている(実は私も言っているクチでありますが)クラブですが,その評価をひっくり返す好機かなと感じます。