大宮対千葉戦(06−#01)。

ちょっと旧聞に属しますが,日曜日の午後。


 フットボール・フリークとしてフットボールを眺めてみようと,自然にTVを見ていたりするわけであります。・・・もちろん,時間的余裕(と少々の財力)があれば競技場へと足を運んで「威力偵察」をかけるわけでありますがね。


 で,見はじめたのが,中野田で行われていたゲームであります。


 最初は,ビジター・クラブの仕上がり具合をチェックしてやろうという意味合いが強かったのですが,そんな意識が通用していたのは前半の45分に限定されていたような感じです。


 前半,基本的に主導権を掌握していたのはビジター・クラブであります。


 ボールの走り方がホーム・クラブとは大きく違い,“スペース”を意識したパスを多く展開できているような感じがしました。前線に位置する2トップも互いの位置に対するイメージが充分に熟成されているようで,足下にボールを収めるようなスタイルのパスよりも相手DFの裏,あるいはディフェンス・ブロックのクラックを突くようなパス交換ができていたような感じがします。


 それだけに,追加点を奪うことがえきればゲームの帰趨は決する。そんな意識になっていたわけです。しかしながら,流れの中から得点を奪うことができずにハーフタイムを迎えるわけです。


 ホーム・クラブの指揮官は問題点を的確に把握し,修正をかけてきます。ごく大ざっぱに言えば,中盤でのパスワークをスムーズに攻撃につなげていくという意識を再確認し,そのコンセプトに沿った戦術交代を仕掛けてきたように思うわけです。実際,後半立ち上がりから積極的にラッシュをかけてきたのはリードを奪っている相手ではなく,ホーム・クラブでありました。


 数的優位という状況もありましたが,実際に積極的なパスワークから相手を崩すというスタイルは昨季にはあまり見られなかった印象がありますので,まだ粗削りであるにせよコンビネーションが緻密さを増していくと怖さを持つのではないか,という感じがありました。


 一方,数的不利で反撃がしにくい状況に追い込まれた形ですが,ビジターの怖さはシーズンが深まってから増していくのではないか,という感じがします。チームを率いる経験豊かな指揮官は,戦力流出を補うべく新加入選手に対して具体的なトレーニング・イメージを持っているはずです。それらが形を見せはじめるのはシーズン中盤以降かな,と。そして,前半のイメージがしっかりとピッチ上の選手に共有されるとともに「リズム面での柔軟性(=緩急を自在に使い分けることで相手守備ブロックを揺さぶる)」が付いてくるようになると,「戦力」だけでは計算できない部分が増してくるのかな,と感じます。


 このゲームに限らず,各地の開幕戦はどこかで“発展途上”という印象を与えるものだなと感じます。侮れないポテンシャルを持っているのはどのクラブか。あるいはシーズンが進むにつれて「本当の意味での怖さ」を持ちうるのはどのクラブか。ちょっと戦略的偵察のような見方を今季は同時並行的にしてみようかと思っています。