SIGNAL GREEN.
爆発的な瞬発力だけが重要な要素ではない。
ライバルを圧倒する強烈なパワーももちろん大きな要素だが,ドライバビリティが長丁場では重要な要素となる。
コースが完全に見渡せる時間帯ばかりではない。ヘッドライトが照射する範囲だけが頼りの時間帯もあれば,眩しさのためにコースの視界が遮られる時間帯も存在する。そんなときにもリズムを失うことなくラップを刻む。
当然,エース・ドライヴァだけで乗り切れるようなレース・ディスタンスではない。セカンド,サードを含めてバックアップ体制が充実していなければ長丁場を乗り切ることはできない。そして,チームを支えるすべてのスタッフが“チャンピオンズ・トロフィー”を奪い取るべく同じ方向をしっかりと見据え続けることで,栄冠に必要な「何ものか」を呼び込む。
ローリング・ラップを間もなく終え,最終ターンからメイン・ストレートへと向かう。
それまで点灯していたレッド・シグナルからグリーン・シグナルへ。そして,フラット・アウト。
もちろん,首位で第1ターンへと入っていければ理想的なのは言うまでもない。しかし問題なのは,「最後に首位というポジションにあるか否か」のみ。そのためにできることを。
そんな長く熱きシーズン,「日常に織り込まれた非日常」が帰ってくる。
Matchday直前の緊張感と高揚感が奇妙に同居している時間。そんな楽しみが戻ってくることに感謝を。
・・・ちょっと種明かしなど。
第1節のキックオフ・タイムは16:00。対して,サルテを舞台に行われる「偉大なる草レース」のスタート時刻も同じ16:00。
ですので,せっかくだからスタート直前のちょっとした高揚感を開幕直前の緊張感と高揚感に引っ掛けてみようかな,と。最近だと単にレッド・シグナルが消えるだけでしょ,という大前提を揺るがすような突っ込みはナシの方向でひとつ。