威力偵察。

今季開催される大会から「開催国特権」が付与される,ということが言われておりますが。


 FIFAクラブ・ワールドカップ(FCWC)に真正面から打って出るには,まずアジア・チャンピオンズリーグを制覇すること。韓国,中国,あるいは中東勢に対して互角以上の勝負を挑めなければ,FCWCでの活躍など覚束ない。ならば,ワールドカップのために中断期間が設けられる今季において徹底した準備を行えば良い。スタジアムがどんな雰囲気であり,周辺環境(練習場や想定される宿舎など)がどういう感じになっているか。そして当然,相手がどういう戦い方をしてくるのか。映像を通した「イメージ」ではなく,実際に体感することで具体的な対策を立てる。その意味で,

 「今季は(欧州の強豪を呼んでの)プレシーズンマッチは組まない。営業面はJリーグの試合だけで問題ない。来年のことを考えてこちらからどんどんアジアに出ていきたい」


という我らがボスのコメントは心強い限りであります。


 ということで,ひさびさに本来の軸足であるフットボールの話題に戻ります。


 先ほどのボスのコメントは日刊スポーツの記事から引用したものでありますが,FCWCへ正面突破を図る(=ACLを制覇する)ためには,当然およそ考えられる準備を積み重ねておくべきだろうと思いますし,そのためには欧州有力クラブとのインターナショナル・フレンドリーよりも,アジアの有力クラブ(=はっきり言えば,07シーズンにおける叩き潰すべき相手)とのゲームを組んだ方が有意義なのは言うまでもないだろうと思います。


 リーグ・チャンピオンとは違い,ACL参戦準備への十分な「リードタイム」がカップ・ウィナーには与えられている。そう考えれば,この時間を“練習試合”という「威力偵察」に割くというアイディアは大きく評価して良い。そう思うのです。