Break Through.

いつの頃からか,「学生には社会人の壁は破れないのではないか」という固定観念ができてしまったように思う。


 学生選手権を奪取し,ナンバー1のポジションになろうとも,トップリーグに参加するトップクラブに対しては勝負権を持つことすらできない時期が続いた。
 時に接点での激しさに競り負け,時に強烈な展開力に対してディフェンスが振り回され,体力を必要以上に消耗する。そんな悪循環の中からゲームの主導権をしっかりと相手に握られ,選手権敗退を余儀なくされる。そんな状況に風穴を開けられるのではないか,という予感は昨季からあった。


 今季とまったく同じカード。


 しかし,前半にはリードを保ちながら,後半“スーパーサブ”に完全にリズムを崩され,局面打開を許してしまう。その悔しさを決して忘れることなく,「選手権で,トップリーグ勢に対して互角以上の勝負を挑む(=勝利を挙げる)」という大きな目標を達成した。


 一時は決して破ることができないのではないか,という社会人の壁を見事に突き崩したことに対して,最大限の敬意を払いたいと思う。