空港と「隣の芝」。

最近はそれほどでもないですけど,一時期は成田空港に足を運ぶ機会が結構ありました。


 そのときにいつも思っていたのは,「遠い!」ということであります。


 比較対象としていたのが悪かった,と言えば悪かった。ターミナル駅までは徒歩15分圏内で,そこから空港へ直結する電車が運行されており,全部足しても間違いなく1時間以内にチェックイン・カウンターに行くことができる,という場所に住んでいたから,成田へのアクセスが絶望的に遠い,と感じてしまったこともあるかも知れません。それでも,空港へのアクセスが決して良好なものではないということが「遠い!」という印象に直結していたのだと思います。それゆえ,欧州路線を使うときにはほぼ前泊をしていました。ドタバタした移動をするくらいならば,少々のエクストラ・コストには目をつぶってでも余裕を持った移動がしたい。セキュリティ・チェックのことなどを考えると,なおのこと早めの移動がしたい。


 ・・・とまあ,空港へのアクセスにはいろいろと不平不満タラタラなわけですが。


 よく考えてみると,他の国でも結構移動は面倒だったりするんですよね。ただ,その移動自体がちょっとした「観光気分」でカモフラージュされるだけであって,“On Business”であれば案外成田と印象が異なるところはないのでは?と思うところアリ,であります。


 欧州域内ではLHR(ロンドン・ヒースロー空港),LGW(ロンドン・ガトウィック空港)やFCO(ローマ・フィウミチーノ空港)は直行電車が運行されているために比較的アクセスは良好かな,と思います。空港からそのままプラットホームへ移動することが可能であり,コストはかかるものの中心部のターミナル駅まで結構短時間で向かうことができる。確かに便利であります。
 一方で,CDG(パリ・シャルル・ド・ゴール空港)やORY(パリ・オルリー空港)では電車での移動を思いつきませんでした。はじめてCDGに着いたときにはしばし思案の後,パリ中心部へと直接移動できるバスを利用し,それ以来バスを利用しています。ORYに向かうときも,(持ち歩いていたラゲージが小さかったこともありますが)バス発着地までメトロで移動し,そこからエール・フランスさんがオペレートするバスで移動していました。同様に,韓国の空港,たとえばICN(仁川国際空港)やPUN(釜山・金海国際空港)も大韓航空が運行しているシャトルバスを利用する,というのが最も信頼できる移動手段かな,と感じます。


 考えてみれば,当然のことだろうな,と思います。


 あらゆる機能をしっかりと網羅するためには広大な敷地が空港には必要だし,「騒音問題」は避けては通れません。となれば,あまり周囲に住宅地があるロケーションではまず不可能。郊外ないしは海上に,というのが流れかな,と思うからです。よく「隣の芝は青い」という表現を使いますけど,空港へのアクセスという部分を考えると,「隣の芝もよく見れば・・・」という感じがあるのかな,と思いますね。