ミスマッチのようだけど。

アトランタ・ブレーブスのホーム・スタジアムである,“ターナー・フィールド”。


 この競技場(というよりは,ボールパークと言うのが気分ですね。)はアトランタ・オリンピックのときにはトラックとフィールドを持った競技場でした。もちろん,ボールパークへの転用が陸上競技場の建設段階から織り込まれていたはずですから,バックネット側などは最初からかなりボールパークの雰囲気だったはずです。


 また,1994年に開催されたワールドカップを思い出してみると,パサディナ近郊のローズ・ボウルなどアメリカン・フットボールに使われるスタジアムがキャパシティの関係から使われていたな,と。


 でありますれば,アメリカでは案外しっかりとしたトラックとフィールドを備えているスタジアムは少ない(あったとしてもかなりキャパシティが大きい)とか,本来フットボールをする場所ではないところでフットボールのゲームが行われる可能性もあるということが言えるのではないか,と思います。


 こんなことを思い出したのは,当然日本代表のアメリカ遠征に関わるサンスポの記事を読んだからであります。


 シーズン中ならばサンフランシスコ・ジャイアンツのホーム・スタジアムとして使用されるSBCパークが試合会場になるのだそうであります。最初は「えっ!?」と思ったのですが,よくよく考えてみれば「スタジアム(フットボール専用)」事情は悪い。しっかりとした天然芝を備えているベニューを先入観を排除して探すと,サンフランシスコ・エリアではSBCパークか,あるいは49ersの本拠地である“モンスター・パーク”あたりでしょう。で,レギュラー・シーズンを終了したばかりでひょっとすればフィールドの養生期間に入っているかも知れないモンスター・パークを外してSBCになったのかな,と。


 野球場だとフィールドに微妙な傾斜がついているのではないか,などの懸念があるけれど,アンフィールドにしてもオールド・トラフォードにしてもピッチレベルから見ると結構カントがついています。


 こう考えていくと,ワタシたちが思うよりも「野球場でフットボール(サッカー)」というのは不自然ではないかな,と思えます。


 最初はボールパークフットボールとの組み合わせにミスマッチを感じたりもしたのだけれど,アメリカ特有の事情などを考えていくと案外良い落とし所なのかも知れないな,と感じています。