トップリーグ、シーズン終了。

どちらかと言えば,レギュラー・シーズン終了という表現をした方が良いかも知れません。


 上位陣にはマイクロソフトカップラグビー日本選手権が控えている。MLBやNHL,いわゆるアメリカン・スポーツな“ポスト・シーズン”が待ち構えているわけです。対して下位に低迷したチームには,トップイースト,あるいはトップウェストとの熾烈な入れ替え戦が待っています。また,リーグ戦がいわゆる“フットボール・スタンダード”の2回戦総当たり制ではなく,1回戦総当たり制にとどまっているために「長きシーズンの終わり」という感慨はなかなかないような。むしろ,「長き予選の終わり」という見方が妥当でしょうか。


 ということで,今回はリーグ戦最終成績(トップリーグ・オフィシャル)をもとに書いていこうかな,と思っています。


 まず,今季のトップリーグを振り返ると,序盤から中盤の軸は間違いなく三洋電機ワイルドナイツであったな,と思います。開幕戦,強豪であるNECグリーンロケッツとの対戦だったのですが,このゲームを31−21で勝利したことでリズムをつかんだように思えます。そして,序盤の天王山となったのが,ワイルドナイツの本拠地・太田で開催された第6節。東芝府中ブレイブルーパスとの首位対決でした。
 下馬評的には昨季のリーグ戦,マイクロソフトカップを制し,日本選手権でも安定した成績を示したブレイブルーパスがゲームをコントロールするだろう,という見方があったように思います。しかし,実際にはワイルドナイツが首位対決を制する。「ひょっとすれば・・・」という考えに傾いたのはこの時期です。


 しかし,ブレイブルーパスは太田での敗戦を契機にチーム再構築に着手したようです。


 その後の戦いぶりは,「安定感」という言葉で説明できるように思います。ボーナス・ポイントを着実に積み上げていけるだけの攻撃力を持ちながら,ディフェンス能力が低いわけでもない。チームのバランスが高い位置で安定している。そんな印象を持ちました。
 リーグ終盤の府中ダービー,対サンゴリアス戦では,ブレイブルーパスの持っているポテンシャルが存分に表現されたのではないか,と感じます。
 一方,リーグ戦後半のワイルドナイツは,序盤のリズムが微妙に崩れてきた,という感じが否めませんでした。確かに通常の勝ち点は積み上げてきたものの,ボーナス・ポイントを積み上げられるだけの攻撃力を発揮しての勝利,というケースはそれほど多くなかった。また,「首位」という目標が具体的に見えてきたことで心理的にプレッシャーを受けたのでしょうか,敷島公園での対ワールド・ファイティングブル戦を落としてしまうことで,優勝戦線から後退を余儀なくされてしまう。


 結果,ブレイブルーパスが2季連続でリーグ戦を制し,ボーナス・ポイントの差で2位,3位に入ったのがワイルドナイツグリーンロケッツであります。そして,4敗グループで4位(トヨタ自動車ヴェルブリッツ),5位(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)が続いています。予想外だったのは,ヤマハ発動機ジュビロの7位,という最終成績でしょうか。


 リーディング・ボードを見ると,上位陣の差が詰まりつつあるのかな,とも感じますが,ゲームそれぞれを見ていくとやはりブレイブルーパスが抜けている部分も多いかな,という印象があります。マイクロソフトカップは短期決戦ですから,リズムをつかめばその抜けている部分を埋めることもできるのではないか。どのチームがブレイブルーパスにストップをかけるのか,というのがひとつの見所かな,と感じています。