では、千駄ヶ谷へ。

そうは言っても,最寄り駅であるJR千駄ヶ谷駅を使うことはあまりないですね。


 原宿からちょっと歩いていって代々木門,あるいは青山門を使う。あるいは,メトロ外苑前駅から青山門を目指す,というパターンが多いような。


 ・・・お分かりですな。国立霞ヶ丘競技場であります。


 ということで,高校サッカー選手権(準決勝2ゲーム)を見に行ってみようというわけであります。元日のゲームは2006年のオープニング,と言うよりもむしろ2005シーズン最終戦,という意識が強かっただけに,2006シーズン事始めという感覚が強いです。


 さて,準決勝に駒を進めてきたチームを見てみると,いわゆる有名な強豪校(こういう考え方は個人的には好きではないけれど。)の名前は鹿児島実以外には見つけることができないけれど,それだけに心理的な充実,フィジカル・コンディションのしっかりとした調整に成功したチームがトーナメントを駆け上がっていく,というカップ戦(トーナメント)らしい展開になったのではないかな,と感じます。


 確かに,6ゲーム(シード校であれば5ゲーム)を制することで頂上にたどり着ける,という部分だけを取り出せばスタートダッシュをしっかりと決め,リスク・ファクタを徹底的に排除した(=相手のストロング・ポイントを消すことだけに徹する)フットボールを展開することで「全国制覇」が見えてくるのではないか,という見方も成り立つのかも知れません。過去の強豪校のアプローチにもそういう部分が多少なりともあったように思います。


 しかし,これだけでトーナメントを制することができるのか,と言えば不足する要素が多いように思います。


 少ないゲーム数とは言え,必ず「分水嶺」とも言うべき厳しいゲームがあるはずです。勢いだけでは乗り切ることが困難な壁,という表現ができるかも知れない。その厳しいゲームを勝ち抜くためには,相手のストロング・ポイントを徹底的に消し去ることも重要かも知れないけれど,どれだけ自分たちが「拠って立つべき場所(=ストロング・ポイントと言い換えても良いでしょう)」が大きく,揺るぎないのか,という部分も厳しく問われるように思うのです。そんな部分から見て,今季の選手権は各チームが持っている設計図に個性が感じられるようになっている。全国制覇のために作り上げた設計図がどういうものなのか,そしてその設計図は「結果」を伴うか,という部分を見てみたいな,と思うわけです。