高校サッカー選手権のことなど。

ニュートラルな視点で高校選手権を考えるならば,こちらの記事(YOMIURI ONLINE)を書かれた記者さんのような見方になっていくように思えます。


 「本命不在」とは言え,この記事を書いた記者さんが選手権展望の軸に据えたように,昨季覇者である鹿児島実(鹿児島)や選手権を戦い慣れている国見(長崎),そして高校総体を制している青森山田(青森)などがいわゆる優勝候補として挙げられるか,と思います。高校選手権は比較的短期間に集中してゲームが行われる,典型的なノックアウト・スタイルのトーナメントですから,ある種の「解法(トーナメントに適合的な戦術オプション)」を手にしていること,あるいは実際に同様のトーナメントを勝ち抜いてきているという経験が大きな要素になるのではないか,と考えるからです。


 しかしながら,このような見方は高校選手権のごく一部の楽しみ方でしかない,とも同時に思っています。


 同時期に近鉄花園で開催される高校ラグビーでも言えることですが,1回戦や2回戦の段階でも引き付けられるゲームに出会います。絶対的なレベルで言えば,それほど高くないゲームなのかも知れないけれど,戦っているチームの「熱」とでも言うのか,そんなものがはっきりと感じられるゲームに。そういう部分も楽しみだし,初出場,あるいは完全ノーマークのチームがある種「規格外」の強さを発揮することがあります。そんな意外性を目にすることだって,充分に楽しみたり得るように思うのです。当然,地元代表がどこまでトーナメントの山を登っていけるのか,という楽しみだってあります。


 「本命不在」ということは,難しいことを言えば指導環境などに代表されるリソースが全体的にボトミング・アップされたり,ということが理由になるのだろうけど,難しいことを抜きにイロイロな楽しみの現実性が高くなる,ということを意味しないかな,と。


 埼玉県代表として,米子北(鳥取)との初戦を迎える浦和東がどこまで行けるか,ということも当然興味対象だし,同じ関東勢,例えば初出場を決めた伊勢崎商(群馬)の動向も比較的ご近所の話でもあり,チェックしてみたいところです。