サード・ジェネレーション。

そのものズバリ,屋号に忠実な話をたまにはしてみようかな,と。


 BNR32では,“ガングレー・メタリック(ガン・メタリック)”がイメージカラーとなっていましたし,BCNR33ではミッドナイト・パープルの印象が強いひとも多いはずです。そして,セカンド・ジェネレーション最後のモデルであるBNR34では,ベイサイドブルーに彩られた個体がカタログを飾っていました。どれも,クルマのイメージを上手に表す塗色ではありましょう。


 しかしながら,個人的に“スカイラインGT−R”に似合う塗色は“シルバー”だろうと思っていました。


 もちろん,リアルタイムで知っているわけではないけれど,KPGC10やKPGC110を思い出せばシルバーをやはり選びたいな,と思ってしまいます。近頃マイナーチェンジを受けて2005モデルとなったフェアレディZも,往年のS30Zを想起させるマルーンをカタログ・カラーに加えたり,リリース当初はやはりS30に採用されていたオレンジをイメージカラーに据えるなど,“ヘリテイジ”を強く意識した商品展開をしています。各方面での話を総合する限りスカイライン,という枠からは決別するのだろうけれど,スカイラインのDNAを強く感じさせるところがあってもいい。日産の開発陣がそう思ったかどうか分からないけれど,東京モーターショーで発表されたプロトタイプは,シルバーのカラースキームに包まれていました。



 なかなか迫力のあるフロント・フェイスであります。ちょっと三菱自工の“Concept-X”にエア・インテーク回りの造形が似てもおりますが,ライトポッドも含めて見てみれば,前回東京ショーで公開されたコンセプトよりも現実味を増しているな,と思います。


 見る限り,残念ながら“ランニング・プロトタイプ”ではないようですが,ここまでしっかりとしたプロトタイプを出展するからには,かなり開発が進んでいるものと思います。確かに,現代のクルマにはいろいろな要求があります。低燃費であること,これと関連して排気ガスの清浄化などによって環境負荷を下げること,衝突安全性を高めることや乗員保護性能を確保すること,などなど。だけど,原点を見つめれば,クルマはやはり「走ってナンボ」だし,操る楽しみがあるからこそのクルマ,だと個人的には思っています。その意味で,環境性能を重視するクルマが出展されるのは当然だけれど,一方で「楽しさ」を前面に押し出すクルマもあっていいのではないか,と。近い将来,このコンセプトをベースにした“ランニング・プロトタイプ”(ひょっとすれば,プレ・プロダクションモデル)がどこかのショーで公開されることを期待したいな,と思っております。