2011年RWC招致について。

何とも評価に困る記事(共同通信 - スポーツナビ)でありますな。


 ま,少なくとも6ネイションズのうちのひとつが明確に支持を表明してくれた,というのはポジティブなことであります。イタリアが先鋒として,ほかの6ネイションズ構成国,できることならイングランドウェールズ,そして現在のジャパンがスタイルを参考にしているフランスあたりが支持を打ち出してくれると良いんですけどね。


 いきなり本題に入ってしまって失礼しました。


 11月17日に開催地が正式に決定する2011年ラグビー・ワールドカップ(RWC),その招致活動に関する話をちょっと書いていこうと思っております。2002年の時と違って,国内的にはヒジョーに地味な活動が展開されていますが,開催地がどこに決まるかによってラグビーが世界的なスポーツになるかどうかが決まる,と言っても良いように思えるのです。


 さて,話戻しますと。


 残る2つの立候補地であるニュージーランド南アフリカは,超一流のラグビー・ネイションですからね。ホスト・カントリーが少なくともセミ・ファイナルまでは進出してくれないと・・・,という発想が基盤になると,ほぼ自動的にRWCはラグビー・ネイションでの持ち回りになり,候補地は実質的にニュージーランドか,あるいは南アフリカか,ということになってしまう。
 その点,共同配信の記事にある,ジャンカルロ・ドンディ氏(イタリア・ラグビー協会会長)の

 「3候補地は一線に並んでいる。ラグビーがより開かれたものになる勇気があるなら、日本の可能性はあるだろう」


という言葉は,ラグビーの将来を見据えたものだと思いますし,ラグビーが世界的なスポーツになるためのステップに,2011年RWCがなってくれることを期待しているコメントだと思うのです。そして,ドンディ氏の言葉は,先頃ここでも書きましたが,IRBが打ち出したラグビー強化のための資金供与と方向性を同じくするものであるように思えます。


 ちょっと大げさな言い方かも知れないけれど,ラグビーがある程度メジャーなものとなるためには,すでにラグビーの強い国で開催するよりも,「強くなろうとしている」国での開催の方が意味があるように思います。決して,フットボールがメジャーとは言えないアメリカを94年ワールドカップのホスト・カントリーとしたFIFAのような決断をIRBも下すべき時だろう,とワタシは思っているのです。


 いずれにせよ,あと1ヶ月足らずで結論は出ます。どういう判断になるのか,注目して見ていきたいと思います。