対ウクライナ戦(欧州遠征第2戦)。

インターナショナル・フレンドリーとして,よりも。


 本大会での「危機管理」をどうすべきか,というシミュレーションとして重要な意味を持つゲームになるのではないか,という印象を持っています。


 ということで,いつも通り1日遅れではありますが書いていこうかな,と。


 まずは,ちょっとゲーム以外のことからはじめます。


 いつだったか,ベッケンバウアー・ドイツW杯組織委員会委員長が国内メディアとのインタビューで,「2006年大会は欧州開催になるだけに,アジア勢にとっては厳しい大会になるのではないか」というニュアンスの発言をしていたように記憶しています。2002年大会においては欧州以外のレフェリーを多く起用し,結果としてレフェリングに対する問題が大きくクローズアップされる結果となりました。その反動として,恐らく2006年本大会においては欧州のレフェリーが多く採用されるのではないか,という推測が成り立ちます。そして,欧州のレフェリーがどのような基準でゲームをコントロールしているか,ということはゲームを組み立てる上での鍵になる。
 その際に,決して「フェア」とは言えないレフェリングに対してどうピッチ上で対処していくのか。稲本選手がゲーム後のコメント(スポーツナビ)でも触れているように,ゲームの中でレフェリーがどのようなレフェリングをする傾向にあるのかを判断し,できるだけ早い段階でプレーをアジャストしていく。そして当然,通常よりも早い段階でボール・ホルダーに対してアプローチをかけ,守備にかかる負担をチーム全体として軽減していく,という広範囲にわたる適応能力が試されるのではないか,と考えます。その意味で,キエフで行われた国際親善試合はファイナル・スコア以上の意味があるものと思います。


 さて,ゲームでありますが。


 ファイナル・スコアこそ残念な形での失点を喫しましたが,チームとしてのかたちが明確に見えたゲームではなかったか,と感じます。確かに選手個々の破壊力はウクライナの方が上だろうな,と感じさせるところがありましたが,組織的にウクライナの攻撃を受け止め,攻撃を繰り出すそのやり方には安定感を感じました。


 また,中盤の構成力は安定度を増したのではないか,という印象があります。
 ただ,その中盤の構成力をフィニッシュにどう結び付けるのか,という課題は残るし,中田(英)選手がインタビューで答えていたように,どう速攻をチームとして具体的な形とするのか,確認が必要でしょう。本大会では,中盤をしっかりとコントロールしながら攻撃を仕掛けられる時間帯はそれほどないかも知れません。逆に,チーム全体で相手の攻撃を受け止め,鋭くカウンター・アタックを繰り出しながら数少ない得点機をモノにする必要性が出てくるはずです。中田(浩)選手が退場処分を受けた後のチーム戦術はこの点で,チームにヒントを与えるものだったのではないか,と思います。


 決して意図したシミュレーションではないですが,結果として本大会を見据えたときの「現実的な」予行演習になったのではないか。そんな感じがします。