ワイルドナイツ、首位を視界に。

川向こうのおとなりに本拠地を置いているために,不思議と親近感を持っているクラブ。


 そして,積極的に普及活動を展開しているだけに,ラグビー・タウンを自負する地域に住む者として率直に「うらやましさ」を感じさせるクラブが,三洋電機ワイルドナイツであります。2005〜06シーズンにおいて,最も注目しているクラブでもありますが,現在好調です。ちょっとこのことについて短く書きとめておこうかな,と。


 現在,4戦全勝と鋭いスタートダッシュを決めて首位に立っているのが,ディフェンディング・チャンピオンである東芝府中ブレイブルーパスで,勝ち点は20。


 トップリーグでは,通常勝利を収めると勝ち点4が与えられます。この基準点に加えて,ボーナスポイントとして4トライ以上を挙げたチームに対しては,勝敗の区別なく1ポイントが加算されます。結果,攻撃力を生かして勝利を収めた場合,5ポイントが1ゲームについて獲得できる計算となります。その意味で,ブレイブルーパスはリーグテーブル下位との対戦とは言え,下馬評通りの安定した攻撃力を発揮している,と言って良いでしょう。


 そして,2位につけるのがワイルドナイツであります。


 第1節,ラグビー日本選手権覇者(フットボール的に言えば,“カップ・ウィナー”ですね。)であるNECグリーンロケッツを撃破できたことが,明らかにポジティブな影響をもたらしているものと思えます。ファイナル・スコアこそ,31−21と僅差ではありましたが,昨季安定した成績を収めている相手に対して勝利を収めたことは間違いなく大きい。
 その後の第2節,3節においては中位グループにあたるサントリー・サンゴリアスクボタ・スピアーズに対しても安定した戦いぶりを示し,3連勝を飾っています。


 トップリーグの勝ち点制度のアヤとして,攻撃力を相手に抑え込まれ,ファイナル・スコアでの得点差が7以内に収まってしまうと勝ち点1を失うのみならず,対戦相手に勝ち点1を献上することにもなります。となると,中位グループ以下との対戦では,間違いなく4トライ以上を叩き出す(攻撃力の差を見せ付ける)必要が生じてきます。また,早くも第6節(10月22日)では地元・太田で東芝府中を迎え撃つ直接対決が組まれています。そのゲームは間違いなく,「勝ち点5」以上の意味を持つはずだし,ブレイブルーパスも全力で「眼下の敵」であるワイルドナイツを叩き潰すべく準備してくるはずです。


 こんなシビレる状況でのゲームを地元でできる,ということは間違いなくワイルドナイツにとって財産になるはずです。まさしく,「ホーム・アドバンテージ」を生かせる環境なのですから,勝ち点5以上の意味を持つゲームをモノにして欲しい。心からそう思います。