愛媛FC、形勢逆転。

タイトルでは「形勢逆転」と言ったけれど,すこぶる当然の結果が出てきただけ,とも言えるように思いますね。


 それと,「ハードウェア」の充実があたかも「必須要件」であるかのごとく取り扱われていることには,はっきり言って不満があります。


 ということで,愛媛FCのJ加盟問題について短めに。


 最初はかなり悲観的な観測が多かったので,どうなることかと思っていましたが,共同通信配信の記事(スポーツナビ)を読む限りでは,“Right Track”に戻ってきたような感じがします。


 個人的な思い(と言うか,チェアマンへの反論)をちょっと書けば。


 大事なのは愛媛の皆さんが持っている「熱量」だろうと思っています。我らがクラブをJの舞台に押し上げてやりたい,という熱意の総量とでも言いますか。敢えて言えば,ハードウェアなど,セカンダリーな条件にもならないと思うのです。愛媛FCを「我らがクラブ」と思っているひとが増え,クラブを支えようという意欲を地域経済界や自治体が見せてくれている。フットボール文化を根付かせる基礎は,そんなひとの気持ちの中にこそあるのであって,スタジアムなど「たかが」ハコに基礎を求めることが間違っていると思うのです。
 スタジアムに魂を吹き込むのは,誰でもない。クラブを作り上げているすべてのひとびと,そして「我らがクラブ」を全力で支えるために足を運ぶひとたちです。そのひとたちの気持ちこそ,Jの理念を支える最も重要な要素のはずです。クラブとの関係を“オンリーワン”と思い定めてくれるひとをひとりでも増やしていかなければ,スポンサーにクラブの魅力を訴求することも叶わなければ,観客収入というものだって伸び悩んでしまうことになると思います。チェアマンの求める「経営の安定化」は,テクニカルなものだけで達成できるものではない。むしろ,目には見えない,だけど最も大事なもので出来上がっていくように思っているのです。


 そんなことも分からないひとが,理事長職にあることに少々失望を覚えつつ,それでもすこぶる真っ当な判断に落ち着きそうなことについて,安堵しています。