不確実性がもたらす魅力。

神戸製鋼所ラグビー部の黄金時代を支えた名プレイヤー,平尾誠二さん。


 残念ながらラグビー日本代表監督としては目覚ましい成績を収めたわけではないけれど,彼のラグビーに対する見方は鋭いものがあります。その平尾さんへのインタビュー記事がスポーツナビにアップされています。今回は,このインタビューをもとに書いていきたいと思います。


 このインタビューは,11月5日にラグビー・スペイン代表を迎えての国際試合が2011年ラグビー・ワールドカップ招致活動に与える(当然,ポジティブなものであることを期待しているわけですが)影響などを平尾さんに聞いているわけですが,このインタビューの中でとても共感したことがあります。その部分をちょっと引用してみますと,

 サッカーやラグビーの本質は不確実性や意外性です。ゲームは思った通りいかないことばかりなんですから。その中で個人個人が状況に応じたプレーをしていくというのが技術であり、チーム力。サッカーもラグビーも、スペースは定着したものではなくゲームの中で動くもの。時によって変わっていくスペースを、みんなで集中的に攻め込む。それが理にかなっているわけです。
 ・・・(中略)・・・よく“日本人プレーヤーには何が足りないのか”と聞かれるんですが、いつも“判断力”と答えます。言った通りやっとけなんて通用しない。


というものです。


 タイトルにも掲げましたが,これほど端的にフットボールラグビーフットボールの魅力を表現した言葉はないのではないか,と感じます。
 特にラグビーフットボールに関して言えば,フィールドに立っている選手すべてがしっかりとした戦術眼を持ち,どのように動くべきか考え,判断できなければチームが機能することは恐らくありません。確かにトリック・プレーなど戦術練習に裏打ちされたプレーもありますが,相手ボールをどのようにして奪い,反撃につなげていくか,という部分に関しては間違いなく平尾さんの指摘通り,選手の瞬時の判断が求められるスポーツだと思います。


 そして,程度の差こそあれ,フットボールにもそんな側面がある。


 タイトルにも掲げましたが,「不確実性」が存在するからこそ,この2つの競技は魅力的なのだろう,とワタシは思っています。