東欧遠征メンバーと予想外の収穫。

メンバーが決まるまでは,「代表の強化スケジュールを優先すべきか,それともオールスターを優先すべきか」という部分でどうなるのか,と思っておりましたが,ニュースリリース(JFAオフィシャル)を見ると,Jリーグに大きく譲歩した形に見えます。


 とまあ,掲げたタイトルとマクラでお分かりでしょうが,今回は代表ネタを書いていこうか,と思っております。
 今回の代表メンバーに関して興味深い見方をしているのが,こちらの記事(サンスポ)であります。恐らく指揮官はオールスターゲームがなければ,貴重な代表チームの強化スケジュール,しかも一定期間選手を拘束できる合宿ですからベスト・チームを組むことを意図したはずです。しかし,今回に関してはJリーグ,及び各クラブに対して最大限の配慮を示し,オールスターゲームに選出された選手に関しては完全に招集しない,という決断を下しています。その副次効果として,

 ジーコ監督は東欧遠征初戦のラトビア戦(10月8日)の先発について「中盤から前はホンジュラス戦のメンバーでもう1度やってみたい」と述べ、MFは中田英、稲本、中田浩、中村、FWは高原、柳沢を起用する意向を示した。守備陣は駒野、坪井、茂庭、三都主の4バックが先発。交代については「真剣勝負の展開の中で誰を使うか考えたい」と話した。
 ・・・(中略)これにより、FW、MF陣が欧州組、DF陣が控えの国内組という興味深い組み合わせが実現。既にチームの基盤は固まってきており、今回の遠征では、ワールドカップ(W杯)本番に向けたプラスアルファが得られるかが焦点となる。(出典は,サンケイスポーツ(web版)速報記事)

 

という,非常に面白いテストが実現することになったわけです。


 ジーコ監督は基本的に選手の入れ替えが少ないタイプではあります。
 しかし,代表チームの監督にあるものは基本的に,自らが思い描く戦術を実現するために必要だと思われる選手をピックアップし,できる限り実戦の場でテストすることで「戦う集団」の母集団を大きくしていくものだと思います。その中で,(たとえ,基本的なメンバーが固定されているにせよ)チーム内競争を喚起することで,全体のパフォーマンスを引き上げていく。
 今回の代表メンバー選出は結果として,オーソドックスなチーム構築過程という文脈で読み取ることのできるものであるように感じます。


 理想を言えば,さらに「代表チーム」としての母集団を大きく拡げる絶好機,という気もしますが,今回の国内組(控え組)と海外組で構成されるチームは,かなりチーム内競争を喚起するのものになってくれるのではないか,とワタシは期待しています。