対大分戦(05−23)。

最近のチームの指向性は,“バルサ・スタイルからチェルシー・スタイルへ”という言葉で言い表せるように思う。


 そして,その方向性がいろいろな要素によって完全にネガティブ方向に振れたのが今節のゲームだったように感じる。
 攻撃的なフットボール,という基本線には変わりないものの,バルセロナ的な高い位置でのプレッシングからのハーフコート・カウンターと言うよりも,チェルシープレミアシップを席巻したスタイルでもある最終ラインからビルドアップする(=攻撃の起点を最終ラインに近い位置に設定する),という基本戦術を強く意識していることは看取できたが,チームとして持っているはずのゲームのリズムがそのために崩れてしまったことも否定できないように思う。



 今節に関しては,相手のボールへの寄せは明らかに速かった。


 ボール・ホルダーに対するファースト・ディフェンスにせよ,ルーズ・ボールに対するアプローチにせよスピードの面で明らかに今節は後れを取っていたように思う。そのために,中盤で作り出さなければならないリズムが生まれてこない。ボールに主体的にアプローチできず,相手の仕掛けを「受けて立つ」状況に追い込まれてしまったように感じる。
 一方で,全体が攻撃的に,前掛かりになった段階でのボール奪取を意図し,そこからロング・パスを繰り出す,という意図も同時に持っていたように思う。中盤と最終ラインとの距離感が崩れているところを狙われているために,ボール・ホルダーに守備ブロックが引きずられてしまっているように感じた。


 攻撃面ではペナルティ・エリア付近まではボールをスムーズに持ち込み,最終ラインを揺さぶりながらラスト・パスを繰り出すところまでは行くものの,フィニッシュの精度を大きく欠いていたり,攻撃の枚数が不足しているために得点機を逸していたように思う。


 何かがズレている。


 そのズレの原因が戦術面に起因するものか,あるいは各選手のメンタル面にあるのかは分からない。ただ,少なくともチームが自ら積極的に仕掛けていかないと,持てるストロング・ポイントをピッチ上に引き出すことはできない。浦和は受けて立つようなスタイルを持ったチームではない。そのことだけは間違いないように思う。


 どう書いていいか,まとまらない思考を無理にまとめながら書いています。


 何となく,ギクシャクとした感じが目立つような。本来,チームが持っているはずのリズムが,少なくともピッチから感じられなかったゲームのように感じました。


 リズムという部分に大きく関連することだと思うのですが,ボール奪取位置が浦和にとってはある種の生命線ではないか,と私は考えています。
 しかし,ここ数節,ボール奪取位置が不明確になっているように感じるのです。どういう形で相手のボールを奪取し,攻撃につなげていくのか。しっかりとした戦術的確認が必要な時期ではないか,と。ハーフコート・カウンター的なフットボールが合っているのか,あるいはチェルシー的なフットボールが浦和の将来にとってメリットがあるのか。現段階でこのことについての答えを出すことはできない(少なくとも,「二択」の関係ではないと思ってはいますが。)と思うけれど,少なくともシンプルに昨季の「原点」に戻してみる必要性もあるのかな,と感じています。