TOYOTA Premiership Challenge.
まず最初に。
当初は「同じフットボールだし,ま,いっか。」程度に考えていたのですが,両方の記事数が増えてしまったので,分けておかないと後で見づらいな,と。で,楕円球関係の話を独立させようと,カテゴリ新設しました。しばらくの間,工事が入りまして不便をおかけするかも知れませんが,ご容赦下さい。
さて,本題であります。
接戦に持ち込んでくれれば,2004〜2005シーズンにおいてディフェンスの堅さが印象に残っているトヨタ自動車ヴェルブリッツにも十分に勝機はある,とは思っていましたが。
失礼ながら,その通りになるとはあまり強く思っていませんでした。それほどまでに,初戦であるNECグリーンロケッツ戦での衝撃は大きかったわけです。
それだけに,マッチ・スタッツ(JFRUオフィシャル)を眺めてみて,じわりじわりと喜びがこみ上げてきました。もちろん,ニューカッスル・ファルコンズ側から見れば慣れない気候条件下(=イングランドと比較すれば明らかに体力を消耗するだろう高温多湿)での連戦であり,初戦に比べればパフォーマンスが低下していたということにもなりましょうが,そんなエクスキューズなどどこかに吹き飛ぶような,なかなかのゲームだったことが得点推移からもうかがえます。
序盤,先制トライを奪取しコンバージョンをも成功させ7点のリードを築いたのは,初戦同様ニューカッスル・ファルコンズ。
ただ,今節に関してはヴェルブリッツがしっかりとしたディフェンスを組み立てていただろうこと,また,堅いディフェンスから繰り出される攻撃に鋭さがあっただろうことがスタッツからうかがえる。18分から29分にかけて3本のPGを成功させ,9−7と逆転に成功する。直後,ファルコンズにPGを決められ再びリードを許すものの,39分にはセコベのトライによって再び逆転に成功する。本来ならば,ヴェルブリッツとしてはこの時点でゲームをスロー・ダウンさせていきたいところだったのだろうが,ニューカッスルは最後まで攻撃の手を緩めることなく終了直前の時間帯にトライを奪い,その後のコンバージョンも成功させ,14−17でゲームを折り返す。
後半においても,ヴェルブリッツの高い守備意識が途切れることはなく,ニューカッスル・ファルコンズのトライ数を1に抑える一方で,後半立ち上がりの時間帯にトライを奪うなど,積極的な攻撃がうかがえるゲームだったように思う。途中,同点に追い付かれる時間帯もあったものの,ニューカッスルの追撃を振り切る形で勝利を飾る。
冒頭に書いたように,接戦という展開に持ち込むとヴェルブリッツのストロング・ポイントが際立つように感じます。
また,日本人選手ががラグビー・ネイションと対峙する場合,高い守備意識を基盤としながら敏捷性を存分に生かした素早い攻撃を仕掛ける,ということがある種の解法かも知れないということを再確認した気がします。
“ジャパン”にフィードバックできる要素はNECグリーンロケッツ戦以上に多いはずです。この殊勲が,ジャパンをさらに進化させるためのステップになってくれれば,ファイナル・スコア以上の意味がでてくるように感じられます。