ラグビー日本代表の新体制。

ひさびさに,“OFF THE FIELD”を短信方向で。


 ちょっと情報としては古いのですが,ヘッドコーチにエリサルド氏=初の外国人指揮官−ラグビー日本代表(時事通信 - スポーツナビ)という記事をもとに書いていくことにします。


 フィジカル・コンタクトなどの部分で明らかにラグビー・ネイションに劣る日本が,世界で互角の勝負を挑むためにはどのようなものを武器にするべきか,という部分からフランス流のラグビーを指向し始めているということはここでも書いてきたか,と思います。
 そして,フランス流のラグビーを推し進めていくということを今回のコーチング・スタッフの人選が示しているのではないか,とワタシは考えています。


 日本人選手の大きな特徴である,俊敏性を存分に生かした組織的なパス・ワークと,地域を奪回するためだけではなく,相手ディフェンスラインをベースラインに近い位置に追い込むための戦略的なキックとのコンビネーションによって,日本としての“ストロング・ポイント”を明確にしようとしている。ここまでの戦績では評価が難しいところがあるかも知れませんが,個人的には意味不明な「世界基準」に振り回されながらチーム構築をするよりも,「世界」を感じます。
 その意味で,萩本監督が日本代表を率いていたときに導入された,「フランス流ラグビーを日本的なラグビーと融合させる」という路線が継承されたことにホッとしています。


 また,萩本監督がユース強化にあたるということも同時に発表されたようですが,このことも大きく評価したい。フットボールと違って激しいフィジカル・コンタクトを必然的に伴う競技であるために,なかなか小学校や中学校レベルでの普及には難しいものがあったと思うのです。それでも,若年層の育成,強化は明らかにラグビーの底辺を拡げ,最終的にはジャパンのレベルアップにつながるはずです。


 トップレベルの指導経験を持つ人間が,ユース年代の指導にあたってくれる。


 萩本監督からエリサルド・ヘッドコーチへ,というのは恐らくは相次いだ代表チーム関係者の不祥事も影響しているのでしょう。それゆえ,協会から一度距離を置くべきではないかという考え方もあるかと思いますが,ワタシとしては萩本さんの指導経験がユース年代のレベルアップにポジティブな影響を与えてくれるかも知れない,という期待の方が大きいですね。