対清水戦(05−18A)。

コンディションや,プライマリー・バランス。


 チームにかかわる,すべての条件が厳しくなってきているだろうことを感じさせる6連戦の最終戦


 質的な面で言っても,6連戦序盤とは明らかにピッチ上に展開するフットボールが違ってきているように感じた。有形無形のダメージが選手に,そしてチームに加わり続けた結果としての今節だったように思う。それでもしっかりと「勝ち点3」を奪取したことは,清水との対戦成績をまずイーヴンに引き戻す第一歩としても,またリーグ戦で首位を追撃するポジションを維持するためにも大きい,と思う。


 前半の印象を端的に言えば,「不意を衝かれる」ということになろうか。


 冷静にゲームに入っていくことを意識していたのか,ゲーム序盤から攻撃的にボール・ホルダーにプレッシャーを掛けていくという感じはしなかった。最終ラインを攻撃の起点としてカウンター・アタックを仕掛けてくるのではないか,と思われていた相手が,予想に反して積極的に中盤でのボール奪取を狙い,速攻を仕掛けてきたことも影響しているように思う。
 カップ戦のように「結果」が最優先となるゲームでは,守備的であることを通常想定するが,清水の指揮官は敢えて攻撃的にゲームを支配しようと意図することで,結果として浦和の意図するゲーム・プランを封じようとしたのではないか。それでも,ゲーム全体を俯瞰すれば「浦和対策」を意図する,守備ブロックの裏を狙うミドルレンジ〜ロングレンジ・パスが多用されていた印象がある。
 確かに,時間帯によってはそのロングレンジ・パスによって最終ラインがサイドに引きずり出され,エリア近くでのマークがずれることもあった。また,相手攻撃ユニットのミスに助けられた部分もあったが,基本的にはしっかりとした守備応対を繰り返していたように思う。


 加えて言えば,今節においては完全に「受けている」状況ではなかったのだろう,と。
 相手のモチベーションを受け止めているように見えてしっかりと主導権を持ってゲームをコントロールする,という意識があったからこそ,しっかりと得点機を生かして先制点(決勝点)を奪取し,後半の反撃をしっかりと跳ね返して勝ち点3を奪取することに成功できたのだろうと思う。


 ともすれば,どこかに残ってしまう「ネガティブな意識」を振り払う,そして,対戦成績を再び50/50に近付け,勝利のパーセンテージを大きくしていくためにも,今節においては「内容」よりも「結果」にこだわってほしい,と思っていました。実際に,今節から受ける印象も「結果」を強烈に意識したものであったように思います。
 「結果」が多様な意味で求められるゲームをしっかりとものにした。そのことを評価できるようなシーズンとしなければならない。そう思っています。