カズ移籍に思うこと。

“プロフェッショナル”という言葉が,“エンターテインメント”と直結するかのような「華」のあるフットボーラーだな,という印象で貫かれているように思う。


 もともとはウィンガーだったと記憶しているが,J初年度からのヴェルディ黄金時代を典型的な“ストライカー”として支え,グリーンのユニフォームのイメージが強い選手だが,同様に“ブルー”のイメージも非常に強い.ヤタガラスのクレストに誇りを持ちながらジャパン・ブルーをワールドカップの舞台に上げることに全力を傾けた選手でもある。
 テクニックという部分では,恐らくは現代の代表選手の方が高いポテンシャルを持っているのかも知れないが,当時の代表選手には「熱さ」を感じた。その熱さを持った選手だと思っている。彼の経験,そしてプロフェッショナリズムは確かにJ2を戦い,1部昇格を狙うクラブにとっては貴重なものであるに違いない。


 というわけで,カズ 横浜FCへ移籍正式決定(デイリースポーツ - スポーツナビ)について書いていきたいと思います。


 思えば,今季の三浦選手は相次ぐ監督の交代によって,立場が非常に流動的であったと言えるかも知れません。一緒に仕事した経験のあるエメルソン・レオンが指揮官として就任した時には,安心して戦えると思ったはずですが,“限りなく解任に近い辞任”によってその立場が大きく変わってしまう。90分間をフルにピッチの上で戦うことは確かに難しくなってきているのかも知れないけれど,体力を補う経験が彼にはあるはずだし,何よりも三浦選手個人がそう感じていただろうことは,記者会見におけるコメント(J's GOAL)からもうかがえます。それゆえに,今回の横浜FCへの移籍が成立したのだ,と思います。


 普通に考えれば,京都から神戸に移籍した時点で“インディアンサマー”となる選手が多いように思うのですが,彼にはまだ時間があるし,与えられたタスクも大きい。それ以上に,ベテランの域に達してなお,強烈なプロフェッショナリズムを発散しているかのようなコメントには敬服します。
 本格的な“インディアンサマー”はまさしくこれからだ,と感じますし,ディビジョン2という舞台はある意味,ジャンフランコ・ゾーラのようにキャリアを締め括るチャレンジに相応しいかも知れません。