重要なリリース。

今回は,東アジア選手権代表チームメンバーに関するリリース(JFA)を紹介することから書いていくことにします。


 まず,JFAのニュースリリースを見て,そのあとスポーツ・メディアの速報を読んで思ったこととしては,やっと我らが指揮官がメディアを通じて言い続けてきたことが実現しはじめたか,というのが偽らざる実感です。
 というわけで,最大の興味は坪井選手,三都主選手が“順当に”選出されたこととともに田中達也選手の初代表選出であります。チームのことを言えば,これ以上に戦力を抜かれたくはないけれど,それでも「選ばれるべきポテンシャルを秘めた選手は他にもいるぜ」とも思うわけで。


 それだけに驚きだったのは,代表指揮官が本格的に「戦闘集団」を構成しはじめたのではないか,という部分であります。


 ワールドカップアジア地区最終予選までのチーム構築プロセスは,主要メンバーをしっかりと固定し,“ファミリー”としてチームを位置付けていたように思うのですが,今回の東アジア選手権のメンバーを見ると,田中選手と並んで,今野選手(FC東京),村井選手(磐田)が初選出されたことで,緩やかに代表を構成する集団を大きくしながらテストを進めようという意図を感じます。また,阿部選手(千葉)が復帰していることも今回の人選における特徴と言えるように思います。
 とは言え,明確に世代交代を意図する人選ではなく,むしろジーコの基本的なスタイルが揺るぎないことは,DF,中盤を構成する中心選手が最終予選時からほとんど変更されていないことからも見えています.それでも「テスト」という部分が見えてきたことはポジティブに評価していい。そう思います。


 2006年本戦まで1年弱,であります。


 本来であれば,積極的に新戦力を起用して,「戦闘集団」としての母集団を大きくしておく必要があるように思うのですが,ジーコにとっては「信頼感」という要素も相当に大きいのでしょう。それでも小規模ながら,「テスト」に踏み切ってきた。JFAの今回のリリースは単にメンバー発表のリリースではなく,リーグで活躍する選手に対して「2006年本戦に出場するチャンスは誰にでも用意されている」ということをアナウンスする意味においても,結構重要なものではないか,と感じるのです。