攻撃的であるための守備意識。

マッチデイ前後には,必ずと言って良いほど読ませてもらっている“J's GOAL”。


 ここでマッチ・プレビューを担当されているライターさんはさぞ大変だろうな,と感じます。
 どちらか一方に大きく肩入れすれば,恐らくは他方のサポータ,ファンから盛大なブーイングを受けることになりましょう。と言って,あまりに中立的な書き方では面白味に欠けるのもまた確かなこと。


 しかし。今回J2第22節,仙台−草津戦のプレビューを担当されている佐々木さんの記事はかなり絶妙なバランスを見せているように感じます。


 とは言え,今回書きたいのはこのことではなく。


 佐々木さんの草津に対する分析が,結構一般化できる内容を含んでいるように思うのです。


 「攻撃的」であろうとしても,90分間フルに攻撃を仕掛けられるわけではない。必ず,相手にゲームの主導権を握られ,ボールをコントロールされる時間帯が訪れる。その時に,積極的にボールを奪取するべくアクションを起こさなければゲームの主導権を取り戻すことはできないし,意図する攻撃は決して再び機能しない。


 安定して攻撃を仕掛けるために,どのような守備をユニットとして仕掛けるか。


 そう考えていけば,決して「守備」と「攻撃」が相反する関係にはない,ということが見えてくるはず。プレミアシップにおけるチェルシーにせよ,CLにおけるリヴァプールにせよ,スタイルは違えど高い守備意識が攻撃を支えていることは間違いない。
 メンタル面が守備における連動性を奪っているのであれば,もういちど“ユニット”の重要性を思い出そう。前線の個人能力を生かすために中盤,サイドが“ユニット”として攻撃の起点になる(=しっかりとしたファースト・ディフェンスを仕掛け続ける)ことが攻撃的なフットボールを作り出すための原点であり,浦和のスタイルの中核だと思うのです。


 圧倒的な破壊力を見せ付けていたときには,同時に積極的な前線からの守備も展開されていたように思うのです。次節の相手はコレクティブなフットボールを展開するチーム。良いときのイメージを取り戻すにはある意味,絶好の相手かも知れません。