揺れるエールディビジ勢。
正直言えば,“カルチョ・メルカート”に関して書こうとは思っていなかったのですが。
木崎さんのコラム(gooスポーツ - NumberWeb)を見ると,そうとも言っていられないような深刻さを感じます。
そこで,今回は「欧州蹴球事情」的に書いていこう,と思っています。
前回,ルート・フリットとゼリコ・ペトロビッチが退団した際にも感じた(そして,実際にここでも書いた)ことですが,クラブ首脳がどういうクラブ像を描いているのか,そしてどのようなトップチームであって欲しいのか,というビジョンが見えてきていないように感じます。今回,PSVアイントホーフェンが獲得を狙ったカルーにしても,小野伸二にしてもクラブの将来に関して「漠然とした不安感」があったのではないか。少なくとも,数シーズン前からクラブの進化は止まっているように感じます。
にもかかわらず,新指揮官であるアービン・クーマンはそんな停滞した現状を打開するためにクラブサイドに積極的に働き掛けるでもなく,むしろトップレベルから陥落することを覚悟しているかのようなコメントを残している。資金的にショートしているような印象はないのですが,フェイエノールト・ロッテルダムの動きは確かにおかしい。
などと言っていたら,エールディビジ覇者であるPSVアイントホーフェンにも問題が。
中田さんのショートコラム(スポナビ)によれば,PSVの戦力流出は朴智星選手のマンチェスター・ユナイテッドへの移籍だけにとどまらないようです。ファン・ボモー選手はバルサへの移籍が決定しているし,フォーゲル選手に関してはACミランへの移籍がPSVから発表されています。
当然,フットボーラーであればより高いレベルを求めて移籍を図る,というのは十分に理解できる話ですが,同一のタイミングであまりにも多くの選手が抜けてしまうと,チームの根幹を大きく揺るがしてしまうことになりかねないとも言えます。また,PSVは昨季エールディビジを制し,欧州CLにおいてもベスト4進出とかなりの好成績を収めています。それ以上のチャレンジを,と考えれば,欧州主要リーグにおける強豪クラブへの移籍,という流れになるように思うのです。また,指揮官であるフース・ヒディンクにもオーストラリア代表監督,というオファーがあるといいますし,来季に向けた戦力再整備は相当困難な仕事,ということになりそうです。
ラファエル・ベニテスが指揮官として在籍していた頃のヴァレンシア,あるいはホセ・モウリーニョが率いていたポルトが一定の成功を収めた後のデッド・コピーを見ているような感じがするのはワタシだけでしょうか。