FIAとFIFA。

メディア戦略,あるいはマーケティング戦略を思えば。


 ある意味で,FIAとFIFAは似たような路線を採っているように思います。TV中継途中のインサート,あるいはサーキットやスタジアムをしっかりと自らのスポンサーが目立つように徹底的にチェックするところなど,よく似ていると思うわけです。でありますが,競技を面白いものとする,という部分においては「一文字違いで大違い」だと思いますね。


 というわけで,こちらの記事(サンスポ)に関して,短信的に扱ってみます。


 技術論を言えば,ダウンフォースの掛かり方がフラット・サーフェスとは異なる(それゆえに,サスペンション・セッティングも特殊な考え方が必要となる)オーヴァル・コースをF1に走行させる,という部分がそもそも問題だと思うです。加えて,レギュレーションによってタイアにはグルービングが施されているけれど,そのグルービングによってオーヴァルでのGに対抗できるだけの剛性が確保できず,タイア損傷の可能性が出てくる。そうなれば,オーヴァルでの安定性が担保しきれない,という判断がミシュラン・サイドから出たのでしょう。テスト・デイからどうやら問題は発生していたようですが,それならば安全性確保のために使用可能なタイア・セットを例外的に増やしてもいいのですよ。


 それ以前の問題として,「安全性確保」の手段が間違っているように見えます。


 レギュレーション改定の背景には,安全性確保と同様にコスト削減という部分があるように聞き及んでいますが,タイアの件も含めてどう見ても効果を上げられるものとは思えません。
 そんな,FIAのレギュレーションにおける迷走が,オーヴァルという舞台で噴出してしまったのだろうな,と思っています。