草津対甲府戦(05−J2#17・短信)。

「中断期間はディビジョン2を見てみることにしよう。」などと勝手に思っていたのですが。


 ・・・最初からつまずいております。


 というわけで,夏風邪からいまだ完全復活できず,(埼玉県内にもかかわらず,良好に受信できる)GTVのディレイ中継でゲームを見たわけで。それゆえ短信という方向で話を進めてみます。


 まず,思ったことは良い意味で「悔しい敗戦」だな,ということ。それゆえ期待を込めて,敢えて「れば・たら」論を最初に出してみることにします。


 いわゆる守備戦術重視の「J2基準」にしっかりとチームをアジャストすることに成功し,守備ブロックの丁寧な守備応対からスピードを持つ前線に正確なフィードを送り,相手ディフェンス網にクサビを打ち込んだ後にサイド,あるいは中盤の選手にボールを預け,ディフェンス・ラインをしっかりと揺さぶってからフィニッシュに持ち込む。そんな形が前半にはかなり見えていたように思うのです。内容的に言えば,前半の方が良かったように思うのです。ただ,早い段階で先制点を奪えず,後半にまで先制点奪取のタイミングがずれ込んでしまったことがもったいない。前半をリードして折り返すことができれば,甲府が全体的に前掛かりになったところをカウンター・アタックでさらに揺さぶることが可能だったはず。そのチャンスが十分にあったように思うのです。


 しかし後半,良い形で甲府からボールを奪取し,高い位置からカウンター攻撃を繰り出せる場面においても中央突破の傾向が強く,サイドからのサポートが薄くなってきていたことが気になります。また,2失点ともにセットプレーからである,ということも大きな修正課題になると思います。特にロスタイムでの失点となる2点目に関しては,微妙なマークのズレ,ボールの動きを追いすぎて,マーカーの動きに付いて行かなかったことが最終的に失点という結果を招いたような印象があるだけに,この点はチームでしっかりと修正しておく必要があるように見えます。


 ただ,第1クールのようにチームとしての約束事がぼやけているかのような印象から,明確なチーム・コンセプト(=しっかりとした守備をベースにした組織戦術によって相手を崩す,という,ある意味J2スタンダードの採用)のもと,ピッチ上の選手たちの描くイメージがしっかりとフォーカシングされてきた印象があります。そして,そのアプローチは決して間違っていないと思うのです。シビアな見方かも知れないけれど,J2は攻撃重視の戦術を採用すると相手の堅い守備ブロックに引っ掛かり,逆襲をくらう可能性が高くなるように思うのです。中盤での構成力(プレッシングをベースにした攻撃)よりも最終ラインでのしっかりとしたマーキングから攻撃を組み立てる「堅守速攻型」のチームが多いだけに,守備重視であることがある種のスタンダードであるように感じられるからです。


 次節に大きく期待をかけることのできる,それゆえに非常に悔しい敗戦だったのではないか,とワタシは感じています。