リポビタンDチャレンジ・対アイルランド戦(短信)。

中継してくれるだけで十分ありがたくはありますが。


 ありますが,変則的な中継パターンであるために,ゲーム全体の状況を的確に捉えているわけではありません。そこで,今回は短信という方向で,ゲームの印象を書いていくことにします。


 まず,最初に。


 今回のテスト・マッチに関しては,ファイナル・スコアを問う必要性が薄いように思います。それよりも,どうラグビー・ネイションに対して攻撃を仕掛けていくのか,という戦略に関して何らかのヒントがもらえたかどうか,をチェックしてみたいなと思うわけです。


 とは言いましたが。


 前半からゲームの主導権はアイルランド・サイドに握られたままに推移してしまったような印象があります。特に後半,アイルランドの攻勢を防ぐためとは言え,大畑選手が時間退場の処分を受けたのはゲームの支配権を決定的にアイルランドに渡すことになってしまったかな,と。


 逆にジャパン側から見れば,流れをつかめるチャンスは確かにあったものの,「ここでアイルランドの扉をこじ開けることができれば,流れを引き寄せることができる」という時間帯に,プレーの精度の問題や集散のタイミングが悪いなどの問題があり,結局はトライを挙げることができずに終わってしまったように見えます。
 とは言え,局面ベースで見ればアイルランドのディフェンス網を破っている場面もあっただけに,その「単発的な」攻撃をどう上手につなげていくか,がこれからの課題でしょう。特に,アイルランドはボール・ホルダーに対するコンタクトが非常に強く,止められると数人の選手がポイントに寄ってくる。そのタイミングにどれだけのサポートが入れるのか。ボールの出所を止められてしまうと,パス・ワークを積極的に使うこともままならないわけです。きつい仕事になるけれど,サポートをどれだけ厚くできるか,がパス・ワークを生かすための条件のひとつになりそうです。


 また,今日のゲームに関しては相手のプレッシャーが厳しいこともあってか,相手のスペースを積極的に狙ったキックが見られなかったことも気になる部分です。後半も終了直前の時間帯に大きくバックスに展開しながらキックを織り込む良い形の攻撃が見られましたが,ああいう形を具体的にイメージしながら,次戦に臨んでほしいものです。