対ペルー戦を斜め読み。

守備ブロックの安定性に関しては,あまり問題点を感じるものではなかったように思うのです。


 中澤選手の負傷に伴って坪井選手が先発した形ですが,宮本選手,田中(誠)選手とのコンビネーションは概ね良好だったように思います。後半ロスタイムの失点は,チーム全体が完全に前掛かりになっている時間帯を狙った典型的なカウンター・アタックでしたね。中東勢もあのような攻撃を仕掛けてくる印象があるので,「予行演習」としてはこれ以上ない試合,と言えるかも知れません。


 と言って,敗戦という事態まで想定していたわけではないですが。と,ペルー戦であります。


 むしろ,攻撃陣のコンビネーションに「熟成不足」を感じたです。


 両アウトサイドが鋭く攻め上がる場面は見られたものの,中央がアウトサイドに連動する形で動けていないように感じました。たとえば,トップ下やボランチが積極的にポジションチェンジを繰り返しながら前線に顔を出すような形が作れていないために,攻撃が単発に終わっているように感じられるのです。コンビネーションで相手ディフェンス網を切り崩す,と言うよりも個人能力に大きく依存した突破を図ってしまっているために対人能力が高い(少なくとも,そのように見えた)相手にボールを奪取されてしまうように感じるのです。
 また,前線のポジショニングに問題があるのか,「ノッキング現象」のようなものが見られたのも残念でした。


 気になった部分を指摘すればこのようになりますが,“フレンドリー”に結果も,タイトル奪取も何もなかろう,とも思っています。優先順位は「キリンカップ」などというものよりも,6月3日の試合でしっかりと求められている結果を出すことにある。極論すれば,「問題点を洗い出し,コンビネーションを熟成させる」ためだけにキリンカップを使ってしまってもいい。現時点でベストを望む必要などない。あくまで,ワールドカップ最終予選にしっかりと照準を合わせてくれればそれでいい。ワタシはそう思っています。