対新潟戦(05−GL#3)。

1日遅れであります。


 またまた,吹け上がりがヒジョーに重い状態ではありますが,はじめたいと思います。


 リーグ戦開幕直後には明らかに焦点が合っていない印象を受けたが,リーグ戦も1/3を消化する中で徐々に攻撃面,守備面でのフォーカスが合ってきているように感じる。その中で,昨季必要性を痛感した戦術面の課題に関してある種の解法を得たかのようなゲームを横浜を相手に展開し,リーグ中断に入った。


 総合力を厳しく問われるリーグ戦とは違い,「カップ戦」では第一義的に結果が求められる。であればこそ,「結果」を意識して見ていこうと思っていた新潟戦(グループリーグ第3節)だが,ゲーム全体から受ける印象は攻撃面でのフォーカスがさらに合ってきている,というものだった。


 個人能力を背景とする攻撃力が最大の武器であるがゆえに,組織性が減退してしまうと全体のバランスを大きく崩してしまうことになりかねない。リーグ戦序盤における予想外の低迷は「個人能力」だけに依存した攻撃を展開してしまっていたがゆえに,攻撃に連動性や意外性が演出できなかったことにあるように思う。


 しかし,ゲーム開始直後からシンプルなパス・ワークに目を奪われた。
 ビルド・アップや縦への展開においても決して強引な個人勝負による突破ではなく,ダイレクト,あるいは少ないタッチでのパス・ワークを駆使して相手の守備ブロックを積極的に崩そうという意図が感じられた。前線がバランスを保ちながらも高い流動性を持っているために,中盤の選手が積極的に前線に走り込むことが可能になり,波状攻撃を掛けることができるようになっていた。「個人能力と組織性とのバランス」という面で考えれば,今季(現段階)において最もバランスの取れたゲームではなかったか,と思う。
 また,後半にPKによって2−1とされたあと,決して浮足立つことなく,むしろゲームを落ち着かせるようにチームのバランスを自律的に修正してきたことも評価したい。
 昨季,斧のように剛直な攻撃を見せ付けながら,重要なゲームで攻めあぐねてしまった背景にある「ゲームを巧妙にコントロールされてしまっている時に,どのようにリズムを取り戻すか」という部分での対応策のヒントになるものが,横浜戦に引き続き,このゲームでも見られたように思う。攻撃的にゲームを支配するだけでなく,「コントロール」しながら勝っていく。そんな姿勢が見えたように感じられる。


 もちろん,3連勝によってグループリーグにおいて優位な立場を構築できたことが最大の収穫であることは言うまでもないが,同時にゲーム内容からリーグ戦,カップ戦を問わずチームにとって重要な要素になるものが得られたことも相当大きいような印象を持っている。