マンチェスターのことなど。

フットボールの世界にさほど理解があるとも思えないビリオネアの手に落ちるのも時間の問題,と言えるマンチェスター・ユナイテッド


 プレミアシップへの入り口になったクラブでもあり,私としても気になるクラブです。


 しかし,長年パートナーシップを続けてきたシャープと袂を分かち,ユニフォーム・サプライヤーをアンブロからナイキへと変更した頃からの急激な商業主義化は,正直うれしいものではなかった。その流れで言えば,認めたくはないけれど「いつかはあること」だったに違いない,と感じています。


 残念ながら,グレーザーによる買収劇は成功裏に終わるでしょう。


 クリスチャーノ・ロナウドウェイン・ルーニーなど次世代を担う戦力の台頭により,“ファージーズ・フレジリングス”からいよいよ脱皮しようか,という時に余計なことを・・・,と感じています。90年代,マンチェスター・ユナイテッドに栄光をもたらしてくれたことは,決して忘れることはできない。けれど,次世代に成功をしっかりと引き継ぐためには,サー・アレックスの後継を真剣に考えなければならない時期に来ていることも確かなはずです。にもかかわらず,続投を示唆したとかしないとか。「経営権を掌握してから言え!」と言いたいですね。


 これだけでも頭が十分痛いのに,スポナビのこちらの記事で扱われたゲームには正直,呆れましたね。


 3位,というポジションは結果として受け入れなければならないけれど,首位との勝ち点差があまりにも開き過ぎている。今季,マンUチェルシーとのアウェイ・ゲームからシーズンに入ったけれど,そのアウェイでの成績が芳しくない。ホームでのドロー・ゲームが多かったことを含め,今季の悪循環を良い意味で断ち切り,FAカップに向けて良いリズムをつかむためにも落としたくはないゲームだった。


 しかし。


 ウェイン・ルーニーが放った低いコーナーキックからファン・ニステルローイが先制ゴールを奪取した時点では,ゲームの主導権をマンチェスター・サイドが掌握できるのではないか,と考えられたが,17分チアゴに同点ゴールを決められてからはチェルシーにゲームをコントロールされはじめたのではないか,と感じる。後半に入るとチェルシーがゲームを巧妙にコントロールしている傾向はより明らかになり,60分,グジョンセンに追加点を奪われ,82分にはジョー・コールにゲームを決定付けるゴールを奪われる.結果,1−3でゲームを落とすのみならず,チェルシープレミアシップ・ポイントの最高記録を更新させてしまう。


 ボール支配率的に言えば,まったくのイーヴン。しかし,シュート数に見る決定率は明らかにチェルシー。前半,攻め込みながらも追加点を奪えず,逆に早い段階で同点に追い付かれたことで,ゲームのリズムを崩してしまったことが悔やまれる。


 マンチェスターチェルシー相手にホームであるオールド・トラフォードで苦杯を舐めた翌日,FAカップ決勝で当たることになるガンナーズはハイブリーにエヴァートンを迎え,7−0と文字通り圧勝しています。マンチェスターとしては,しっかりとフィニッシュ段階での修正点を洗い出しておかないとFAカップでもリズムをガンナーズに握られることになるかも知れない。ミレニアム・スタジアムに良い状態で乗り込むためには,今節,サウサンプトンとのアウェイ・ゲームを良い形で終えること(=しっかりと勝ち点3を奪取すること)が重要になりそうだ,と感じます。