飛躍への萌芽。

あるいは,直接的に「手応えをつかんだジャパン」とでも題するべきかと。


 たまには前置きなしで,“OFF THE FIELD”を書いてみます。


 最初にJRFUのトップページでスコアを確認したときに,「これは絶対に手応えのあるテスト・マッチだったに違いない」とシロート目ながらに直感しました。
 ファイナル・スコアだけを取り出せば,確かに「大敗」の部類に入るゲームです。けれど,前半だけのスコアを見ると,アルゼンチン代表を相手に完全に互角の勝負を挑んでいたことが分かる。これは・・・,と思ったわけです。
 その後,サンスポの記事で細かいゲーム・スタッツを確認するに至り,スコアだけから読み取ったことはあながち間違いじゃあなかった,と。


 はっきり言えば,直感が確信に変わりました。


 敗戦なのだからおかしいのですけど,正直なところを言えばうれしかったですね。


 何より,実際にフィールドで戦っていた主将・箕内選手をしてゲーム内容に手応えを感じ,指揮官である萩本さんも「随所にやろうとしているものは発揮できた」とのコメントを残しています。やはり,前後半を通じての集中力とその集中力を維持し得るだけのフィジカルがないと,トップクラスのラグビー・ネイションに互角の勝負を挑むのは難しいと思うけれど,互角のトライ数を記録した前半の戦いぶりは明らかに前進であり,フレンチ・スタイルが日本代表にとっての有効な武器になることを示してくれた,と思っています。
 その意味で,スタイルなき僅差での敗戦よりも,スタイルを貫いた上での敗戦の方がはるかに収穫は大きい,と思っています。


 前半のイメージをぶつけることができれば,5月8日に秩父宮で行われるラグビー・ワールドカップアジア地区予選(対香港戦)での好ゲームが期待できる。それだけではない。6月中旬に組まれているアイルランド代表とのテスト・マッチ(長居,秩父宮)において,実際に6ネイションズとの距離(実力差)を測ることができる。その2戦においてアルゼンチン代表とのテスト・マッチ同様にジャパンのスタイルを出せれば,決勝トーナメント進出という目標が現実味を帯びてくる。その萌芽になってくれるに違いない(正直言えば,そうあってくれないと困る。)。そう,考えています。